皇居に着き、例のエレベーターで下まで行き、その中には俺と龍馬さんと修二さんで下まで下りる。
扉を開けると中は騒がしかった。
「だからお前のやり方は派手なんだ!!」
「楽しく倒せた方がいいじゃん!!」
「なんだ、相変わらず騒がしいな此処は」
修二さんが一言言うまでも自分が皇護の中にいると、思わないくらい騒がしかった。
「君たちは相変わらずだね」
「龍馬さん!!って会ったの昨日とかじゃん!!」
「そうだね」
龍馬さんはニコッと笑って答えた、話の輪にいたのは六人だったが喧嘩をしていたのは二人だった。
「はいはい、喧嘩はそこまで。今日は皆に紹介したい人がいるんだ」
「紹介?」
皆の目線が一気に俺に集中する。
「さあ、皆に自己紹介して」
龍馬さんの一言で我に返った。
「どうも、神崎彦真です」
自己紹介をしたら沈黙が流れた、何かまずい事でも言ったかなと思った。
「おい!!」
「はい?」
さっきまで喧嘩していた強面の男の人が怒鳴った。
「それで自己紹介のつもりか?」
自分の名前以外に何を言えばいいのか、さっぱり分からないと言った感じだったのを龍馬さんが助けてくれた。
「ああ、そうだね、神崎君」
「はい?」
「僕らレガシーホルダーは自分の名前より偉人の名前の方が、大切なんだ」
「ちょっと、そんな事くらい最初に説明していてよね」
そう言ったのは若そうな女性だった。
「そうだね、僕達がこれから相手にする奴らにこんな何も知らない素人が入って大丈夫なの?」
これは見た目は若く幼い感じの男の人だった。
「大丈夫だよ、それに皆、最初は初心者だったでしょ?」
「そうだけど」
「俺はこいつが使えるのかが気になるな、で?偉人は誰なんだ?」
「えっと、川上彦齋さんです」
「ほう、じゃあ剣客だな」
「まあ最初はそんなもんだよね」
「お前いくつだ?」
「十七歳です」
「高校生か?」
「はい、高三です」
「そこは重要じゃない、たかが高校生が俺達の戦いに入ってこられるのかって聞いているんだ」
「覚悟は決めています」
「そんなもの現場行かないと分からないでしょ?」
「それはそうですけど」
「まあまあ、あんまり新参者をいじめないの」
仲裁をしてくれたのは先ほどの女性だった。
「じゃあ皆で自己紹介しようか」
龍馬さんが皆に一言添える感じで、上手く自己紹介の流れを作ってくれた。
「じゃあ私からね、私は華山玲奈、偉人は華岡青洲さん」
「彼女は唯一の医療系のレガシーホルダーだよ」
「医療系?」
「そう、負傷者を即座に治療する超回復能力で相手の神経を一時的に麻痺させることで、敵の動きを止めることも可能だ、神経を麻痺させて拷問みたいにもできるよ」
拷問って、怖いけどフランクな人だなと思った。
「次は僕だ、僕は沖田隼、偉人は沖田総司だよ」
「どうも」
今度は優しい感じの男の子って感じだ、見た目はまだ高校生って言われても信じるくらい童顔だ。
「沖田君は童顔だからね、学生に潜入したりしてもらっている」
「潜入?」
「うん、実は川上君の学校にもいたんだよ」
「え?」
「僕らも川上彦齋の刀には目を付けていたんだ、だからいつか新維新志士が川上君の学校に行くと思っていたからね、だから近くにずっといたんだ」
「そうなんだ、え?じゃあなんで助けてくれなかったですか?」
「本当は直ぐに行くべきなんだけど龍馬さんに止められてね」
「どういう事ですか?」
「龍馬さんが川上彦齋が君を選ぶかもしれないって言われて、それで様子見だったんだ」
「様子見ってこっちは死にかけたんですよ」
「あれだけで死にかけるって思うって事はやっぱり、あまちゃんだな」
そう言ったのは強面の男の人だった。
「はいはい、もう川上君に突っかかるのは止めて自己紹介して」
いちいち突っかかってくるのは気になるが、毎回龍馬さんが制裁してくれる。
「俺は、宮本 剣、偉人は宮本武蔵だ、それで、どんな奴にしろ龍馬さんが決めたんだからいいけどよ、俺はやっぱり今から素人を入れるのは反対だぜ」
「またその話かい?」
「俺もいいか?」
「意見はいいけど先ずは自己紹介ね」
「分かったよ、俺は織田隼人、偉人は織田信長だ。それで俺もこんな素人、それも高校生の餓鬼と来た、現場で御守りをさせられるのが目に見えているだから反対だ」
「御守りかどうかはこれか確かめたらどうかな?それにこれからは実践がなくても数がいた方がいい」
「これからってどうするんですか龍馬さん?」
「近くにいつも使っている体育館があるでしょう?そこで実践形式の手合わせをすればいいんじゃない?」
「これから?!」
「うん、まあそれは後にしてこれで今日本にいるこちらのレガシーホルダーの顔合わせはできたね」
「日本にいない人もいるんですか?」
「うん、今は海外で働いている人たちもいるからね」
色々気になったがそれはまた今度聞こうと思った。
「でもなんで皆さん僕が皇護に入るのに、タイミングが悪いみたいに言うんですか?」
「それはねこれから話すけど、確かに今川上君がこちらに入るにはタイミングが悪いんだそれはある事件が頻発しているからだ」
「ある事件?」
「うん、その裏に新維新志士の影がちらついている」