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第27話手入れ

それから俺達は東京に帰った。

「ただいま」

「お帰り、旅行どうだった?」

「良いリフレッシュになったよ」

「そう、ならいいけど。ちゃんと勉強するのよ」

「分かってる」


それから俺は自分の部屋に戻った。

無銘と村正を持ちながら、鞘から二本の日本刀を取り出した。

無銘を持った時から欠かさず、手入れはしていた。

いつも通りの手順で手入れをして、それを済ませる。

でも、彦齋や村正の精神世界には入れなかった。

あれだけ手入れをしても、相手にはしてくれないようだった。

それに村正にあの技を教えてもらったもの、北海道に行く前のことだった。急に村正に話しかけられて朧が使っていた技を叩き込まれた、現状全ての技を教えてもらったが全て精神を支配するものだったので自分的にはあまり使いたくない類のものだったが、北海道での出来事もあり詳しく詳細などを聞きたかったが偉人と言うのは自分の話したいことがないと精神世界に入れてくれない、気難しい性格のようだ、今度沖田さん辺りに付き合い方を聞こうかと思ったが、歴史の勉強をしていれば沖田総司がどんな性格だったのかなど分かるので沖田さんがあんな性格なので偉人とは上手く付き合っているのだろうと思うのであまり勉強にはならないかもしれない。

そんなことを考えているとスマホが鳴った。

相手は柚葉だった。

『もしもし』

『あ、彦真今良い?』

『いいけど、なんかあった?』

『今度の土曜日空いてる?』

『空いてるけど』

『皆で渋谷とか原宿で買い物でも行こうかって話しになってるんだけど、行く?』

『誰が来るの?』

『私と光一君と遥かな』

遥とは柚葉が一番仲がいい相手で、いつも一緒に居る相手らしい。

『分かった、空けとく』

『了解、じゃあ当日渋谷駅に十二時に』

『了解』

カレンダーを見てみると土曜日はクリスマスだった。

皆でイルミネーションでも見に行くのだろうか?

それならそれでいいけど無銘と村正を持っていくことは忘れないようにした方がいいな。

用心に越したことはないから。

何もないことを祈るしかない。


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