三十分くらいお店にいて、時間制限は三十分だったらしく俺達はそのまま外に出た。
店の中にいる時は、散々食べ物や飲み物を頼み俺は皆が食べきれない物を食べ、飲みお腹いっぱいだった。
その後、グッズスペースでは色々な物が売っていて俺は買いたい物はなかったが俺はさっきたらふく食べて気持ち悪いくらいだったので外で待っていたが、三人が出てくると光一が片手一杯袋を持っていて一体いくら使ったのか気になったがそれを聞くのは野望なものと思い聞かなかったが俺の使い道にはなかったので少し違う一面を見た気がした。
「買ったわー」
「ポップアップストアであんなに買う人初めて見た」
「まあ買いたいものだったし」
「なあ?一つ聞きたいんだけどさ」
「なに?」
「ファンやめる時はそう言うのってどうすんの?」
「それはまあ、どうするんだろ?」
「やっぱり光一ってそう言うの考えないで買うんだ」
「それはさ、まあ処分って言い方悪いけど捨てるんじゃね」
「私はずっと推していくけど」
「それはずるいわ」
「まあ推してるうちからそんなこと考える人はいないってことだよ」
「そうなんだ」
「彦真はそういう推しとかいないの?」
「俺はいないかな」
「できると人生楽しいぞ」
「そういうもの?」
「そういうもんだ」
それから時間は昼過ぎになっていた。
「この後どうする?」
「原宿に気になるお店あるんだけど良い?」
「どんなお店?」
「カラフルな綿菓子のお店」
「まだ食うのか?」
そして原宿に向かい、竹下通りに行った。
「これこれ!!」
柚葉と光一と遥ちゃんは七色のカラーのでかい綿菓子をもってカメラで撮影をしていた。
「彦真は食べないの?」
「さっきのでお腹いっぱいだわ」
「もったいないから、一口食べな」
「いいよ」
「良いから、美味しいよ」
「分かったよ」
一口食べると意外に美味しかった。甘くてそれでもくどくない味でビジュアルも含めて若者がこれを求める理由がなんとなく分かった気がした。
「美味しかったー」
この綿菓子を数分で食べてしまった。
「柚葉はその食欲があるのにどこに栄養が回ってるんだ?」
「うるさいな、どこかには回ってるんだよ」
身長は150cmくらいしかないし、体のどこに栄養が回っているのかなぞだった。
それから原宿を散策した、お腹いっぱいだったから食後の運動だと思えばいいものだった。
それに友達と散歩するのも良いものだ。
友達と遊ぶなんて久しぶりだったから、良いリフレッシュにはなったがなにかもやもやしているそれがなにかは分からなかったが払拭されることはなかった。
そして、時間は夜になり光一と遥ちゃんとは別れた。
「ねえ、彦真?」
「なに?」
「私たちも行かない?」
「何処に?」
「二人は渋谷の青の洞窟に行ったんだよ」
「青の洞窟?」
「渋谷でやってるイルミネーションだよ」
「分かった」
それから渋谷に向かった。
渋谷に着いて暫く歩くと、広場の上空にいっぱいの青いライトが装飾されていて綺麗なものだった。
「綺麗だな」
「うん」
それくらいしか会話はなかったがそれでも、柚葉が楽しんでいることは分かった。
「ねえ、彦真」
「なに?」
「あのさ、卒業したあとのことなんだけど」
「うん」
「海外に行く前に言いたいことがあるんだ」
「なんだよ、もったいぶって」
柚葉が次の言葉を話そうとした瞬間、遠くで爆発音が鳴った。