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第11話 やっと‥‥‥‥‥「未来」①

小学生までは‥‥‥母と2人家族だった。

小学入学前に母が亡くなった。母ほ有栖川コーポレーションの社長の愛人だったらしい‥‥‥‥‥‥‥。

俺の父親は有栖川コーポレーションの社長だと急にに教えられ、援助を受ける事になった。

広いマンションに引っ越しさせられる。24時間365日お手伝いさんの誰かがいるが‥‥‥家族は1人になった。月に数回‥‥‥父親が様子を見にくるが一度でも父親だと認識したことはない。父親は自分の息子であり有栖川コーポレーションの跡継ぎの義兄を将来助けられるように、今のうちからしっかり学べと何百回と言っていた。母親違いの兄、有栖川 海斗が3歳上にいる事も知らせられ会った事もないが‥‥‥なぜか‥‥‥‥恨みのような妬みのような感情を持っていた。小学からお金持ちの御曹司やお嬢様が通う名門の桜凛学園に通う事になりそのおかげで初めて愛しいという感情を知る事が出来た。


ほとんどが幼稚舎からあがってくる子ばかりで小学から入ってきた自分に話しかけるヤツは1人しかいなかった。それが一生の親友になるであろう一橋稜輝だった。


稜輝は男女問わず人気があった。ただ‥‥‥かげの部分もあった。それは誰にもさとられてはいけないものだった。中1の頃に‥‥‥俺も同じ陰を持っていることに気づき‥‥‥稜輝の陰にも勘づいた。俺の場合は何が何でも隠し通さなければいけないわけではなかったが‥‥‥‥愛しい存在そのものが‥‥‥‥俺なんかに愛しいと思われてはいけないような気がした‥‥‥‥。だから‥‥‥‥何となく隠した。


中等部と高等部で共用施設がある事から義兄である有栖川 海斗がよく絡んできた。俺と稜輝と海斗と海斗の友人の成瀬 あきらと4人で食堂で食べる事もあった。

ただ漠然と抱いていた海斗への恨みのような妬みのようなものは薄らいでいった。


中1の春に初めて稜輝の家に行った。

よくある財閥の家庭そのもので息苦しく思った時に‥‥‥自分の生い立ちを不幸に勝手に思っていたけど‥‥‥‥‥海斗や稜輝の方が窮屈なつまらない思いをしてるのではないかと‥‥‥思い暗い気持ちになった時に‥‥


「ただいまー!」っと稜輝の弟の龍輝が帰ってきた。これが龍輝との出会い。

小学5年生なのに‥‥‥背は160センチを超えスラッと長い手足に整った色白の顔。

【さすが、稜輝の弟。遺伝子レベルで最強だな。】っと思ったのが第一印象。ただそれだけだった。


ちょくちょく一橋家に遊びに行くようになると龍輝とも話す機会が増えていった。バックグランドを気にせずにつきあってくれる一橋兄弟は大事な存在になっていた。


毎日のように‥‥‥‥ヒソヒソと「愛人の子らしい‥‥‥。」っと囁かれているのを耳にした。気にしても仕方ないと毎日思っていて俺自身‥‥気にしていないと思い込んでいた‥‥‥‥‥。

中1の夏休み前に‥‥‥‥下駄箱に【愛人の子のくせに海斗先輩に近づくな】っと手紙が入っていた。

向こうから絡んできても、周りには本妻の子に言い寄る愛人の子にうつるのか思うとやるせない思いだった。

その日の帰りに一橋家に寄った。


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