未来を見ると未来も俺を見ていた。
手を引かれて‥‥‥‥未来の胸に‥‥‥‥顔あげると未来の顔が近づく頭をなぜられ「よく、頑張った。」っと言われ‥‥‥目頭が熱くなり涙が溜まっていく。
「おい!俺の弟を泣かすな!」
「泣かしてない。違う意味で啼かすけどな!」
「‥‥‥‥はぁ!」未来の胸を押し離れる。
「龍輝、ほんとうにコイツで良いのか?」
「えっ‥‥‥‥‥。あっ‥‥‥‥うん。未来が良い。」
「はあぁぁぁぁー。」兄ちゃんが大きすぎるため息をつく。
「お義兄様よろしく〜。」っと未来が兄ちゃんに手を振る。
「その辺にして仕事の話をするぞ。」成瀬さんが言う。
「はい。」返事をして4人でテーブルにつく。
「まず、どうやって子会社化を認めさすか?」成瀬さん主導で話がはじまった。
はじめ未来〜聞いた時は絶対にムリだと思った。でも、成瀬貿易の成瀬さんがいるなら‥‥‥いける。
「「大丈夫と思う」思います。」一橋兄弟の声が揃う。
「龍輝!さっきはムリって言ってたのに?」
「さっきは成瀬さんだと知らなかったから!」
「成瀬貿易の名前をかりないと難しいけど‥‥‥‥」成瀬さん見る。
「あぁ。大丈夫だ!うちは両親も兄貴も稜輝の事を知っている。もちろん他言もしない。」
「えぇぇぇ…‥。両親も?」
「あぁ。仕事上、海外の取引相手が多い。同性婚をしている経営者もいる。特別に珍しい事ではないからな‥‥‥‥。」
「そうなんですね‥‥‥‥。」
「成瀬貿易の名前と利益の分配で簡単にYESと言わせられる。」兄ちゃんが言う。
「利益の分配?」
「親父は利益主義だからな。利益をあげる事業には口出しをしてこない。口出しして利益を下がるのが嫌だから。」
「なるほど‥‥‥‥。」
「成瀬貿易1、一橋3、MR6でどう?」
「「いい。」」
「えっ。MR主導なのに、一橋3で‥‥‥‥。」
「良いんだ!将来はMRも一橋も1つになる予定だから!」っと未来が言う。
1つになる??この3人がいれば、なんでも出来そうな気がしてきた!!
戦略も練った。兄ちゃんは海外での交渉役を担うが表には出ない。MRは、登記上、未来と成瀬さんの会社になっている。だから、この4人と成瀬さんの両親とお兄さん以外は兄ちゃんが関わっている事は知らない事になる‥‥‥‥‥。
「腹減ったー。」未来が言う。確かに‥‥‥時計を見ると、もうすぐ22時になるところだった。
「ご飯頼むか?それとも疲れたなら帰るか?」未来が顔を覗き込んで聞いてくる。
「ここで食べたい。」
「うん。そうだな。稜輝の一橋商事の仕事、再開を祝うか」
「うん。」
未来がコンシェルジュに手際よく注文してる間に兄ちゃんがビールとつまみの準備をして持って来てくれる。この2人‥‥‥‥本当に息が合ってるな‥‥‥‥。
「「「「かんぱーい!!」」」」
聞きたい事は半分も聞けなかったけど‥‥‥‥‥‥‥たくさん笑って楽しい時間だった。
3年前のあの日から‥‥‥‥‥こんな時間が取れるなんて思わなかった。よかった。
いつか‥‥‥‥‥お母さんにもお父さんにも兄ちゃんに会わせてあげたい。もちろん3人とも‥‥‥‥笑い合える再会を‥‥‥‥‥‥いつか‥‥‥‥‥。