「日にちが決まれば連絡する。」さっきまで難しい顔したタヌキ‥‥‥いや、親父がニコニコして言った。
はぁァァァァァァ。絶対に嵌められた、あのクソたぬきに!!!
クッソー。あの‥‥‥‥‥‥してやった感のニヤついた顔がムカつく。ぜってぇーーお見合いを断わらてやるからな!!腹の中ではどす黒い感情が湧き上がってきてるが「はい。待ってます。子会社化については、こちらで、今からすぐに動きますからね。」いつも通りを必死に装う。
「勝手にしたらいい。うちに1円でも利益があるなら万々歳だ!!ハハハハハハハハハ。」父の高笑いが癇に障る。クソーッ!
やっぱり嵌められた。
ぜってぇー俺の高笑いを聞かせてやる!!心に決めた。
「失礼します。」
バン!
感情が抑えきれず社長室のドアを力いっぱい閉めて鼻息荒くドスドスっと部屋に戻る。
ドスン!
執務室のソファーに座る。
はぁァァァァァァァァァ!!っと声をあげる。
俺の様子から交渉失敗っと思った未来が俺の肩をポンポンっと叩きながら慰めの言葉を発する。
「龍輝?大丈夫だ!焦るな。戦略は山程ある。」
未来は俺の前髪を一束すくい指に絡める。
上目遣いで未来を見つめる。
「うん?どうした」前髪を絡めていた手は頬にまでおりてくる。
未来の手にこちらから頬を押し付け数秒、目を閉じる。目を開けると間近に未来の顔があり‥‥‥‥
「近い、近い。ここ執務室だから分かってる?」未来の肩を押しながら言う。
「お前が誘ったんたろ?」拗ねたように言う未来に鼻で笑ってしまう。
「ふっ。」
スーハー。大きく深呼吸をする。
「子会社化は認証された。覆されないように今すぐ動いてくれ。契約書は今日中に交わしておいて下さい。」
「かしこまりました。」すぐにスマホを出して、あちこちに連絡し段取り良く動く指示をだす未来をボーっと眺めていた。
連絡が一段落した未来は俺の視線に気づきニッコリ笑う。
「なー。何でそんなにカリカしてるの??交渉が上手くいかなかったと思ったわっ!」ソファーの後に周り耳元で話してくる。未来が喋るたびにゾクゾクってする俺を見て面白がる。
「近い。」未来の顔を押して遠ざける。
「未来!前に座って!」
「おぅ。何?真剣なヤツ?」首を傾げながら何も想像できないというカンジに向かい合うかたちでソファーに座る。
バン!
っと机の上にさっき貰ってきたお見合い写真を投げる。
未来も見ただけでお見合い写真だと分かった様子で顔しかめる。
「何コレ?」いつもより低い声で言う。
俺は答えずに未来を見て、それを見ろっと顎を上げる。
お見合い写真を見た未来は一瞬、動きがとまった。
「はぁァァァ。こいつか‥‥‥‥?ってかこの見合い写真なに?」さっきより怒ってイライラしているのがわかる。
「子会社化を認めるかわりに、見合いをしろって!クソタヌキが‥‥‥‥‥。」
「フンッ。クソタヌキか‥‥‥‥‥。見合いするだけでいいの??」
「‥‥‥‥‥。いや。こっちから断る事はできない。向こうから断れる事しか許されない。」
しばらく‥‥‥未来が考え込み沈黙に包まれた。
「フンッ。絶対にクソタヌキをギャフンと言わせるぞ!」未来が真剣に言ってくるが‥‥‥‥耐えれず吹き出してしまった。
ン‥‥ブッー。
「なに?」未来にジロっと睨まれる。
「フッフッフッフッ。ごめん。だってー、未来?ギャフンって言った人を見た事ある?ヒーヒーヒーヒーお腹いたい。ハハハハハハ。」涙が出るほど笑った。
「はぁ?表現だろ!!」恥ずかしそうに怒ったように言い放つ。
「はぁー。そうなんだけど、未来でもそんな事を言うだと思うとおかしくて‥‥」まだ、しつこく笑っている俺を見て拗ねたように言う。
「いい考えが思いついたけど教えないからな!」
「ごめん。ごめん。教えて!」笑いを止めて無理やりキリッとした顔にする。
「その顔も、ムカつくからやめて!」
「えぇーワガママだな。」ようやく普通の表情になったのを確認してから未来が口を開く。
「俺の事をバラすぞ!」
「はぁー??出来るわけないから困ってるんだろう?」
ニヤついた顔で未来がこっちを見る。
「この女ならできるよ。コイツが他にバラさない案がある。大丈夫だ。向こうから断ってくるよ。もちろん穏便にな!」そんな事ができるわけがないと俺の頭は?????が飛び交わっていた。
混乱している俺を余裕な微笑みで見ていた。
「あいつら2人にも聞いてもらって実行するか決めようぜ!!」俺の頭をグチャグチャになぜまわす。