未来が俺の家のリビングへすいすい歩いて行く。
センサーライトでパッパッパッパッパッっと順番に光が灯される。まるで未来への道しるべのように思え1人靴も脱がずに立ちすくんでいると、リビングから未来の声がする。
「龍輝?どうした?」
「うんー。なにもないよー。」大丈夫なんだとリビングで待つ未来へ歩みを進める。この道で間違っていないと言われているようで心がスーっと軽くなるのを感じた。
ソファーの前で立って待ってくれていた未来に無性に甘えたくなり未来の右肩にボスっと頭を乗せる。
予想外の行動にビクッとなった未来の手が背中に回されれる。未来の体温とにおいを感じとれて、時間にして数秒、目を閉じてしまった。
目を閉じた数秒で未来のスイッチを押してしまったまたいだァァァァァァ。
チュッチュッ‥‥‥ウッ‥‥‥ヌッチャ‥‥
ソファーに押し倒され未来のキスが降り注がれる。
気持ちが良く流されてしまいそうになり、未来の背中に回っていた自分の右手で自分の左腕を思いっきりつねる。
自分の中で冷静さを取り戻した。
はぁーフー。深呼吸をしてから上に乗っていた未来を押しのける。
「はぁァァァ。危なかった。」
「はぁ?何が?」押しのけられて不機嫌な未来が睨む。
「ふっ。今日はダメ。」
「はぁ?今日もだろ?いつならいぃんだよ!」
「お見合いの件が片付いて落ち着いたら。」
「まだ、気にしてんの?絶対、大丈夫だ!俺を信じろ!!」
未来が目を合わせてくる。
「ダメだ。気になって未来の事に集中できない。やるなら集中したい。」
「ブッー」未来が吹く。
「お前‥‥かわいいすぎやろ。しゃーねーなー。風呂に入って寝るかー。」
「お‥‥‥おぅ。」
「あの女の件はサッサと片付けないと俺の身がもたん」未来が1人ブツブツ言いながら浴室に向かう。
もちろん、入浴中にもベットの中でもイチャイチャはあったけど、今日も俺のベットで2人でねる。
翌日、親父から電話がありお見合いの日程が決まったと知らせてきた。急だけど明日すると‥‥‥‥こっちに考える暇を与えたくなくて急いだのだろう。ロイヤルホテルの料亭が指定されたが、敢えて、行きたい所がありるからと場所の変更を指定した。指定したのは‥‥‥‥ロイヤルホテルから3ランク落とした東京ホテル‥‥‥店はロビーの喫茶店でも、良かったが‥‥‥話が話だけに個室が良いだろうとホテル内の和食料理店にした。
親父は何か勘違いして、そこから良い店に案内すると思っているようで「おぉ。そこからエスコートするんだな。うん。うん。龍輝はさすがだな!」っと、わけの分からない事を言って笑っていたが‥‥‥。ほっておいた。明日まで良い夢を見ておけばいい。
親父は上機嫌で電話をきった。
「未来。明日の11時に東京ホテルの和食料理店の予約をとって。いよいよお見合いだって。」
「分かった。東京ホテルでいいのか?」
「あぁ。東京ホテルだって、もったいないぐらいやけど、話が話だけにある程度の個室がいるだけだから、ここで十分。」
「まぁ。そっかー。でも、よくあの親父がOK出したな!!」
「フッ。親父はそこで待ち合わせして、違う店に移動すると思ってるよ。」未来を見てニヤっと笑う。
未来は「明日かー。思ったより早かったな。今日だけの我慢やな。」っとブツブツブツブツ1人事を言っている。