◇ ◇ ◇
「地下にこんなもん作ってるとは」
研究所奥の階段を降りると、そこは
カブーム博士はタブレット端末を小型立体映像プロジェクターに繋ぎ、映像を出して説明を始めた。色々な形状のビッグスーツらしきロボットが映し出される。
「悪魔ロボはハライータ・フック二世が率いるゴロゴロ団のビッグスーツだ」
「普通のビッグスーツと違うのか?」
「いや、ワンオフではあるものの基本的に同じだ」
「え」
じゃあもうビッグスーツって呼べばいいのでは? と四人が心の中でツッコミを入れる中、博士は説明を続ける。
「共和国解体戦争の後、アキタタウンから少し離れた荒野に
プロジェクターは角の生えた悪魔のような
「なんか随分妙ちくりんな話だが、これだけ大きい要塞作れるだけのリソースは持ってるってことか……」
「……色々ツッコみたいところだけどよ、とりあえず規模の大きい盗賊団と考えておけば大丈夫だよな」
ニッケルとカリオは
次にプロジェクターに映し出されたのは、
「今まではボンがこの犬型ビッグスーツ、『エクスギャリワン』に乗り、襲い来る悪魔ロボと戦っていたのだ」
カブーム博士がそう説明すると、ボンは
「犬型のビッグスーツ!? そんなもんあるのか」
「作るのにかなり苦労したぞ。だがその
レトリバーの四人はお互いの顔を見合わせる。犬のビッグスーツ乗り……
「つまり今回の依頼って、ボンと一緒にアキタタウンを攻撃してくるビッグスーツを撃破したらいいのか。あ、それとも敵のアジトも破壊する……のか?」
「その通りじゃ! 近いうちに奴らがアキタタウンを
シャトルポッドは徐々に速度を落としていき、地上港側のターミナルで停止する。
レトリバーの面々は階段を上がり地上へ、ボンとカブーム博士はエクスギャリワンの待つ地下格納庫へ向かう!
◇ ◇ ◇
「ゲイリー様! もう仕掛けますか!」
アキタタウンを遠目に
「んむ、エクスギャリワンは不在のようだな……行くぞ!」
部下の言葉にそう答えると、ゲイリーは前方を指さして号令をかける。地上艦に
ヒュルルルル……
風切り音。ゲイリーはその音に反応して空を見上げる。白煙を上げながら飛ぶロケット弾が見えた。
「なっ!?」
ロケット弾は真っ直ぐに、ゲイリー率いるゴロゴロ団へ向かって落下してくる!
ダダダダダ!
ゲイリーの乗る地上艦が対空砲を連射! ロケットに何発か命中、
「むむう……我々が来ていることに気がついていたか」
「貴様らのくっさい臭いなどすぐに気づいたわ!」
上を見上げるゲイリーの視界に再び何かが飛び込んでくる。白銀に輝くソレはクルクルと縦に回転しながら、ゲイリーを飛び越えて地上艦の後ろに着地する。
「エクスギャリワン・エントリィイイイ!」
シャウトとともに姿を現したのは、四つの足で地面に立つ狼型のビッグスーツ。そのビッグスーツは天に向かって
「来おったかエクスギャリワン!」
ゲイリーが忌々《いまいま》しげにその名を口にすると、狼型のビッグスーツ――エクスギャリワンは再び咆哮した。
「先にお別れを言っておくぞゴロゴロ団! 今日の正義はいつもより
コックピットでヘッドギアを付けたボンは、フワフワの毛に包まれた体をブルブルと
(名犬勇者エクスギャリワン⑤へ続く)