「ルース、今日はどれくらい遊べるですか?」
「んーそうね……午前中は大丈夫かな」
「おお、たっぷり!」
ルースの足にしがみついたまま、マヨがニカッと笑顔を作る。
「けんきゅーのお仕事、
「あはは、まあね……さて! 何しよっか!」
戦争が終われば、この研究所で仕事することもなくなるかもしれない。そうなったらこの子はどうすればいいだろう?
この少女は
研究員達はそれを
(マヨちゃんのこと……妙なところにバレたりしたら私もマヨちゃんも、研究所のみんなも危ない。どうしたらいいかな……)
◆ ◆ ◆
「何しに来たんだカボチ」
「もうちょっと
「……
カリオとルースの家の
「いや暇だろ絶対。そのゴミ捨てた後どうせ昼寝とかするんだろ」
「正解。お前の相手するほどの元気はねえよ……ってかお前も
「……なあ、お前も薄々
カリオは手に持っていたゴミ袋を地面に置く。
「……
「カリオもそうしてたのか。反乱軍はすぐ近くの街まで来ている。流石に今更戦うことはねえだろうけど、
二人は
「……
◆ ◆ ◆
「ベーコンレタスサンド売り切れてた……」
「というかアレ、食材の
ルースが自分のデスクに座ると、彼女の上司であるジローも、ルースの席の斜め向かいの自分のデスクに、買って来た昼食を置いて座る。
「そっか、近いうちに反乱軍がここに来て町の諸々《もろもろ》を……
「反乱軍が到着したらひと
ジローは焼きそばパンにかじりつく。
「……なあ、あの子どうするか決まったか? マヨちゃん」
「んーそうですね……」
ルースはたまごサンドを食べながら
「流石に一時的な
「できることがあれば俺にも相談してくれ。時間がないのは辛いが、急がないとな。この町に駐在している大佐なんだが、軽く調べてみたがやっぱりこのことは知られたくない。最悪、町から出ることも考えておいた方がいい」
「そうですね……」
昼休みが終わると、ルースはマヨのいる部屋でノートパソコンのキーボードを叩きながら業務を進める。マヨはその後ろのスペースで
(正確な年齢はわからないからアレなんだけど……同じくらいの年頃の他の子供達と、得意なこと・苦手なことが違うのよねぇ。
ルースは整理して
◆ ◆ ◆
「閉まってるなぁ門」
「
ホシノタウン駐屯地の
「……知らない間に俺達クビとか!?」
「何言ってんだカボチ……え、マジで? 上官も
二人が話しているところに歩きながら
「何馬鹿なこと言ってんだおめえら」
「お、ゴーヤのおっさん」
「歩き煙草ダメでしょ」
カボチの指摘に年配の男、軍のメカニックのゴーヤは、
「けっ、俺みたいなのが今更煙草のマナー守ってもしゃあねえだろ。人殺しの機械をいじくる仕事してんだぞ」
ゴーヤはそう言うと門の上によじ登り、施設の
「勝手に入っていいのかよゴーヤ」
「勝手に上の連中が
カリオの制止に
◆ ◆ ◆
「
「ビッグスーツ部隊はいつでも出撃可能です」
ホシノタウンから少し離れた荒野。
「ケーワコグ共和国が
(マヨ・ポテトの災難EX⑩ へ続く)