◇ ◇ ◇
「外の
「例のナントカ・サンデは、まだ動いてないんだよね?」
ニッケルとリンコがお
「
「……ああ」
カリオは実体剣の納められた
崖からコレスの基地を挟んで反対側、基地後方では彼の部下が仲間と通信で会話をしている。
「レーダーに影? わーったって見に行くよ……やれやれ
「例のガキで起動成功したら、カメラ回さねえとな」
「あん?」
「映像をデータで売るんだよ。いやそのまま売るのは
「その話、ニコチの前ではしない方がいいぞ。あいつはコレスさんの言うこと真に受けてる
ビー! ビー!
二人のコックピットで
「
スピーカーから聞こえてくる
レーダー上に最初に目に入った点が消え、すぐに自分達の目前で再出現する。
「え――」
二人の機体のうち一機の、腰から肩にかけて斜めに
「なっ、この――」
もう一人のコレスの部下が、ライフルの銃口を
ズバァン!
トリガーが引かれるより早く、ライフルの銃身が斬り落とされ――
逆真っ向!
「……よし、いつもと違う武器でもなんとかなりそうだ」
二人を
「よし、いい感じの
レーダーの動きを
「私もいけるよ」
リンコもコックピットの専用スコープを
「オーケー、リンコは
ニッケルと治安部隊員が崖上から飛び出していく。
ガァン!
その
「敵!?」
「味方が
ニ十機近くいる警備の白クロジ達は、シールドとライフルを構えて周囲を見回す。
(こちらの方が速い。よし、決められる!)
レトリバーの襲撃の際、練度の高い
あくまで並みの
ニッケルは機体背部の無線操作ドローン「チョーク」を切り離し、敵機の方へ向かわせる。
「
バシュゥ!
ニッケルはまず実弾ライフルを敵集団の内の一機に向けて撃つ。敵機はシールドを前に出して銃弾を防ぐ。その一瞬で二基のチョークが敵の上方から後ろへ回り込むように飛行する。
「チッ!
バシュゥ! バシュゥ!
二基のチョークから二発のビームがタイミングをずらして放たれる。敵機は一発目のビームをステップで回避するも、後から来たビームがその胸部を貫いた。
(よし、コイツ等にはビームが通じる!)
ガァン!
続けざま、ニッケルに撃破された機体に気を取られた別の敵機の胸を、リンコの狙撃が射抜く。一連の流れでブラックトリオと治安部隊はペースに乗った――
――かと思われたその時である。
ビキキキキ!!
「!?」
「何!?」
突如強い地響きがコレスの基地周辺を襲う。大地はひび割れ、いくつもの
コォーン!!
その光は独特の風切り音を響かせながら、勢いよく上空まで
「……」
ニッケルと、彼と前進していた治安部隊はその光景に目を奪われ、立ち尽くす。
「ニッケル、逃げて!!」
リンコの叫び声でニッケルは我に返った。上空へとひたすら上っていた光は、やがてその向きを変え、地上に戻るように降り注いでくる!
「まずい! 一旦後退だ!」
ニッケルは叫び、
コォオオオ……
やがて地上にぶつかった光はまた向きを変え、渦を巻くように上昇して、辺りを包み込むように広がっていく。その光景はまるで――
「――光の竜巻……」
リンコはスコープから目を離し、メインモニターに映るその現象に
一瞬にして巨大な光の
◇ ◇ ◇
「フハ、ハハハハ……」
基地の中、
「圧倒的すぎる……これがプルツ・サンデか!」
コレスは自身の腕を
そのコックピット。
いくつものケーブルが
彼女に今見えているのは
彼女はそこで一人
レトリバーの仲間達の名を。
カリオとルースの名を。
(マヨ・ポテトの災難EX㉑ へ続く)