超高速で接近するブンドドマル。バッケは
ブォン!
カリオは
(……ダメだ! さっきまでのコイツじゃねえ! 体勢が……!)
バッケの機体は急激な回避運動でバランスを
バキィン!
「む!?」
カリオのビームソードがバッケの機体に触れることなく停止する。バッケの機体の周囲に、六角形をいくつも並べたような球状のバリアーが展開されたのだ。
「コレスの時と同じようなバリアか!」
ズダダダダダ!
バリアの中からバッケはサブマシンガンを連射! カリオは慌てて飛び
「中からの攻撃は通すのかよ!? インチキ装備が!」
カリオの斬撃を
(危ねえ野郎だ、カリオ・ボーズ……バリアーはバッテリーの
ドォン!
バッケが退く事を考え始めたその時、再びカリオのブンドドマルが突撃してくる!
「っと、せわしない!」
バッケはすぐにバリアーを再展開。 カリオは真上から下へ真っ直ぐにビームソードを振り下ろす!
真っ向!
ビキィ!
バッケのバリアーはこの斬撃に耐える!
(よし凌い――)
バッケが再びサブマシンガンのトリガーを引こうとした時である。カリオは剣を振り下ろした勢いそのまま縦に一回転。再度真上から遠心力を乗せた斬撃を放つ!
「クソッ!」
パキィン!
二度目の
「ぐあああ!!」
ズザァン!
斬撃はバリアーを破壊するとそのままバッケの機体も縦に
「やりやがった!」
外から様子を窺っていたコマイが、
「……! 気を抜くなコマイ! 手下どもがまだだ!」
カリオの戦いに圧倒されていたナツトだったが、奥に見える地上艦から飛び出てくる影を見て、意識を切り替え銃を構え直す。
「クソ! バッケさんの応答がない!」
「とにかく依頼を片付けねえと」
「全員殺せ殺せ!」
後続の艦から様々なビッグスーツに乗ったバッケの手下達が出撃し、街の正門目指して進み始める。
ガァン!
その時、独特の
「な!?」
「今度は何だ!?」
「
そこから二キロメートル離れた荒野の岩場の上。頭部にスコープ付きバイザーを備えた黒いビッグスーツが、スナイパーライフルを構える。
そのコックピット、シートに座るのは赤いモヒカンがトレードマークの女性、「ブラックトリオ」と呼ばれる
そのコックピットのスピーカーからハスキーな女性の声が聞こえてくる。
「あとコンマ三秒早く撃ち抜ければ理想だったんだがな」
「こっち目隠ししてるんですよ!? 無茶言わないでくださいよ師匠~!!」
ハスキーな女性の声に対し、リンコは泣きそうな声で返事する。
ビュンビュンビュン!
「また新手!?」
バシュゥバシュゥバシュゥバシュゥ!
その数八基。ドローン兵器は戦闘機のように
「ドローンのクセに速すぎ……ぐわああ!」
次々と撃破されていくバッケ一味の上空に、また黒いビッグスーツが一機。そのコックピットシートには体格のいいショートアフロの男性、「ブラックトリオ」と呼ばれる傭兵チームの一人、ニッケル・ムデンカイが座っている。彼の鼻にはピエロの赤い球のように小型の爆弾が取り付けられていた。
「おい! 昨日の爆弾から難易度上がりすぎじゃねえか師匠!?」
ニッケルの膝の上では、爆弾を起動させる装置のようなモノが置かれ、その上で握り
ニッケルはドローンによるバッケ一味との戦闘、小型ロボットによる爆弾の起動解除作業の両方を脳波コントロールで行っているのだ。
そのコックピットのスピーカーからは野太いオカマの声が鳴り響く。
「やーねぇ! 難易度なんて毎日上がってるじゃない! ニッケルちゃんなら絶対できるし、できなかったら絶対ユデンファミリーかイニスアの
「その前にアンタに殺されそうだ!」
オカマに対し、ニッケルは泣きそうな声で返事する。
ガァン! ガァン! ガァン!
バシュゥバシュゥバシュゥバシュゥ!
ドローンとスナイパーライフルのビームが次々とバッケの手下達を射抜いていく。ナツトとコマイは目を丸くし、口を半開きにして眺める他なかった。
ブォン!
最後の一機をカリオが斬り
「あいつらも帰ってきたかぁ。ちょっとぶりだな、どうなるやら」
(GET READY FOR SECOND JAM⑧ へ続く)