エイムがギン達と同行する為、村から旅立つこととなったが、エイムの父の勧めで一晩泊っていくこととなり夕食をご馳走になっている。
ギン達とエイムの家族含めた6人の食事は賑やかであり、皆大いに楽しんでいる様子であった。
食事から大分時間がたち皆が寝静まった頃、ギンは寝付けないのかダイニングに居て、思いふけっている。
自らに何が起きているのか分からない不安、そしてそれに関わる者が増えていくことがより不安を増大させていく。
「おや、寝付けないのですかな」
ギンは声のする方を向き、声の主はエイムの父であることを確認する。
「というか、あなたこそ眠れないんですか?」
「まあ、私は昼間に寝ていましたからね、それに体も元気になったし、なかなか寝付けないですよ」
「そうですか……」
お互い黙り込むが、しばらくしてエイムの父が声を出す。
「ギン殿、昼間のことであなたに関して少し気になることがありまして」
「気になること?」
「あなたが魔法剣を扱えるということです。私も魔法剣は伝承でしか知らず、実際に使用した者は見たことがない」
エイムの父の発言にギンはどういう返答をすればよいか迷っているが、エイムの父は言葉を続ける。
「やはりあなたを狙っているのはブロッス帝国かも知れない。そしてそれはあなた自身も薄々感じていたのでは?」
エイムの父の発言に一瞬度肝を抜かれるが、すぐに冷静に返事を返す。
「確かにその可能性はあると思いました。しかし確証がなかった。だから娘さんに魔力感知の依頼をしたんです」
「なるほど、ですが魔力感知は魔力が色濃く残っている時にしないと精度が落ちる。だからエイムはあなたへの同行するのが良いと思ったんでしょう」
「ブロッス帝国が相手となるとどうなってしまうか分からない。これ以上自分といると危険にさらされてしまう。だから自分は……」
ギンの言葉が少しづつ弱くなっていくのを感じたエイムの父はギンにあることを告げる。
「私が聞いた伝承だと魔法剣は一騎当千になりうると軍事国家としては戦力として確保するか、戦場にでてくる前に芽を摘んでおくかのどちらかでしょう。ですがこれはあなたの秘めたる力が大きいということ他ならない。エイムの魔力と同じように」
エイムの話がでて疑問を抱いたギンが聞き返す。
「何故そこで娘さんの話になるんですか?」
「あの子は私達、いやこの村の村長ですら計り知れない魔力を秘めているんです」
「それが一体、何なんですか?」
「あの子は私たちの実の子じゃないんです」
エイムの秘密を父親から聞かされるギン。戸惑いと共に更なる真実が明かされる。