魔族のブリックを追い払うことに成功したギン達は村へ戻るべく来た道を歩いていた。
そんな時、ブライアンの治療の為の薬草を集めていたジエイがギン達と合流する。
「皆さん、ブライアン殿の治療に使えそうな薬草を集めてきました」
そう言ってジエイは一同に薬草を見せ、ブライアンがジエイに対して礼を言う。
「ありがとよジエイ、これで俺の怪我は治るんだな」
「良かったわねブライアン、ありがとうジエイ。私の魔力がもう少し残っていたらブライアンに治癒魔法を使えたんだけど……」
礼を言うとともに申し訳なさそうなルルーに対し、ジエイが言葉を返す。
「いえ、ルルー殿の浄化魔法がなければ我らは更なる苦戦を強いられ、犠牲者がでたやも知れませぬ。これくらいお安い御用です」
「そうだぜルルー」
ブライアンとジエイのねぎらいの言葉に改めて礼を述べるルルーであった。
「ありがとう2人とも、さ、村に戻って魔物を追い払った報告とブライアンの治療をしましょう」
「あと、ルルーやエイム殿に休んでもらって魔力を回復してからスップへと戻るとしよう」
「申し訳ありません。私達の為に時間をとらせてしまい」
「気にするな、2人に限らず今回はみな疲れてるであろうし、1日くらい村でゆっくりしても良かろう」
ムルカが一晩休むことを提案しながら歩いていると、結界に覆われた村の前までたどり着き、ブライアンが声を出す。
「結界ってこんな感じなんだな、でもどうやって入るんだ?」
「結界に魔力を送るわ。そうすれば私達が帰って来たことに気付いて結界を解除するはずよ」
「だけどお前もう魔力があんまりねえんじゃ……」
「軽く送るだけよ、これにはミッツ教徒の聖なる力を共鳴させる意味があるの」
ルルーの説明を聞いて、ブライアンに別の考えが浮かんで話す。
「それならムルカの旦那が送ればいいんじゃねえのか?」
「生憎、私は治癒魔法以外に魔力を放つことができんのだ」
ムルカがそう言うとルルーが結界に魔力を送る。
ルルーの魔力を感じ取ったミッツ教徒が結界を解除し、ギン達は村へと入っていく。
ギン達の姿を見てミッツ教徒が声をかける。
「ムルカ様、ルルー様、皆さん、よくぞご無事で!」
「うむ、貴殿もご苦労であった」
「お疲れ様、私達は村長さんに報告してくるから、あなたはゆっくり休んでいて」
「はっ!」
そう言ってルルー達は村長の家へと向かい、家の前に着くとルルーが一同に話す。
「じゃあムルカ様と私で村長さんに報告するからここで待っていて」
「それなら俺はアルの家に行って、報告をしてくる」
ギンの言葉を聞いてエイムが自らの要望を話す。
「あの、私もご一緒していいですか?私の探知魔法のことも話しておけば安心するかもしれないので」
「そうだな、じゃあ頼む」
「はい」
一同がそれぞれの報告へと向かう。