邪龍伝承の舞台の観劇を終えたギン達であったが、ミニルの希望でミックサック団をプレツに来てもらえるかの交渉をすることになり、ルルーがミニルに助力する為共に交渉へと向かうこととなった。
その状況に疑問を抱いたブライアンが2人に尋ねる。
「交渉するのは構わねえけどなんでルルーまでついて行くんだ?」
「個人で、それも民間人のミニルだけではインパクトが薄いかも知れないから、プレツ国家を代表しているミッツ教団の私がいた方が交渉を進めやすいと思ったのよ」
「国を代表してあなた方を歓迎しますってやつか、まっ、頑張ってこい」
「私はお手伝いをするだけだけで最終的にはミニル次第だけどね」
ルルーはそう言ってミニルと共にミックサック団の所へと向かい、残されたギン達はどうするかを話す。
「さ、俺達はどうする?」
ブライアンの言葉を聞いてギンが答える。
「ここの市に行ってみるのはどうだ?ヨナの様子も見に行けるし」
「賛成です。ヨナさんがどんな商売をしているか気になります」
エイムもギンの意見に賛同の意思を表明してブライアンとウィルも返答をする。
「そうだな、行ってみっか」
「他の国の港町を見るのも海の男にとっては大事だからな」
ギン達が市に行くことを決めたのを受け、ムルカが意思を示す。
「私はここでルルー達の帰りを待っておく、ルルー達が戻り次第、我々も市へ向かおう」
「ムルカ様お願いします」
エイムが返答をし、ギン達が頷くとムルカも頷き返してギン達は市へと向かっていく。
ギン達が市へ向かおうとしているなか、ルルーとミニルはミックサック団を徒歩で探していた。
「あのルルー様、特に誰にも聞かずに探していますが大丈夫なんですか?」
「さっきの舞台で邪龍の演出に幻覚魔法が使われていたからその魔力の残り香から探しているから大丈夫よ」
「すごいですねルルー様」
「エイムはもっとすごいわ、肉体の一部さえあればそこから感知することができるんだから」
ルルーの話を聞いてミニルは自信なさげに思いを打ち明ける。
「皆さんすごいですね、私達がなんか場違いに感じます」
「ミニル?」
「兄はああ見えても父から鍛えられているから戦いという点では役に立つかもしれませんが私は風の楯くらいしか作れず、しかも母の本の術もまだ習得できていないので……」
ミニルの言葉を聞いてルルーは自らの事を打ち明ける。
「あのね、ミニル、私も自身を失い投げやりになったことがあったの」
「ルルー様がですか?」
「大量の帝国兵を食い止めるにはもう自分の命をなげうつしか方法がないと思ったの。でもそんな私を支えたのはブライアンだったわ。『俺にも手伝わせろ』ってね」
「ブライアンさんが……ですか」
当時の思いからミニルに訴えたいことをルルーは話す。
「きっとみんなあなたの支えになってくれるわ。だからあなたは今自分ができることを精一杯すればいいから」
「ルルー様……」
「でも私やみんなが苦しいときは支えになってあげてね」
「はい」
ルルーはミニルにも役割があり、それを支える者達がいるということを話しそれが伝わっているのを嬉しく感じていた。
いよいよミックサック団と会うかという時に声が聞こえる。
「何だと⁉」
一体何がおきているのか?