民間船の乗船券の購入を終えたリンドが戻って来て、ギン達に声をかける。
「買って来やした。妹さんも含めて5人分買えやした」
リンドの言葉にウィルが反応し、返答をする。
「そっか、じゃああとは頼むぞ」
「分かりやした。じゃあ俺達は先にその船に並んでいるんで、お兄さんと話し終えたら来てくだせえ」
そう言ってリンドは他の船員と共にプレツ行きの民間船へと向かっていく。
リンド達が民間船へと向かうとプラナがギンに声をかける。
「兄さん、帝国へ行くと何があるか分からないけど、絶対に守って欲しい約束があるの」
「約束?」
「絶対に生きて帰ってきてね、カイス様はもちろん失いたくない。でも兄さんが死んでしまったら何の意味もないわ」
「プラナ、俺は生きて帰る。カイスの事は難しいかもしれない、だが……」
ギンは少しだけ言葉を溜めてから続きの言葉を放つ。
「もう俺はお前を悲しませたくはない。多少の無理は通して見せる」
「でも兄さん……」
プラナが何かを言わんとするが、横からエイムが話に加わる。
「プラナさん、私達もいます。私達もプラナさんの望みが叶うように力を尽くします」
「エイムさん、ありがとうございます。私の為に」
プラナがエイムに礼の言葉を述べると軽くエイムは頷き、ウィルがプラナに声をかける。
「そろそろ出港の時間だし、リンド達が待っているぞ」
「はい、それじゃあ皆さん、兄をよろしくお願いします」
プラナはそう言って頭を下げてからリンド達の待つ民間船へと向かっていく。
ギン達は船の出港を見届けることとし、ゆっくりと船は港から離れていく。甲板にはプラナがおり、ギン達に向けて手を振っている。
エイムはプラナに手を振り返して大きい声を出す。
「プラナさーーーん!またお会いできる日を楽しみにしていまーーーす!」
続いて、ギンも大きな声をプラナに向けて出す。
「プラナ!絶対に俺は、俺達は帰って来る!だから待っててくれ!」
ギンの声は大きく響き、プラナの乗る船はプレツへと向かっていく。
船が視界から消えると、ルルーが言葉を発する。
「行ったわね」
「ああ」
「難しいかもしれないけど、私達もプラナの望みを叶えられるように力を尽くすわ」
「頼む、もうあいつを悲しませたくはないからな」
ギンの言葉を聞いて、エイムがギンに話しかける。
「それはギンさんも生きて帰ってこそです」
「そうだな、よし、俺達も行くぞ」
「はい」
プラナのプレツ行きを見届けたギン達は一路帝国へと向かう。そこではどのような戦いが待ち受けているのか?