ギンとエイムはプラナとの話を終え、ミッツ教団が運営する孤児院をあとにし、スップの教会への前まで到着していた。
馬車を御していた教徒がギン達に声をかけている。
「では、私は馬車を戻しているので教会へと先にお入りください」
「世話になったな」
「ありがとうございました」
ギンとエイムより礼の言葉をかけられた教徒は馬車を戻しに行く。
そしてギン達は教会へと入っていく。
教会に入ると、仲間達が揃っており、最初に声をかけたのはブライアンであった。
「おお、ギン、エイム、戻ったか?」
「今戻った」
「ただいま、戻りました」
続けてミニルがエイムに声をかける。
「ねえ、エイム、プラナさんは元気そうだった?」
「はい、ギンさんとも話せて少しは不安が解消されたので良かったです」
「そう、今度は私も行って、プラナさんと色々話そうかな」
ミニルの発言を聞いて、ウィルがミニルにどのような事を話そうとするか尋ねていた。
「お前がプラナとどんな話をするんだよ?」
「兄さん、女同士のことに色々ツッコむのは野暮よ、だからモテないのよ」
「今それ関係ねえだろ!」
ウィルとミニルのやり取りにエイムは苦笑いしつつ、他の仲間に声をかけている。
「はははは……み、皆さんもまた時間があったらプラナさんにお会いになってくださいね」
エイムの呼びかけに、ブライアンが返答をする。
「そうだな、あ、そうだエイムお前が前に助けたマリンって子の兄貴にお前が無事帰って来たことを言っておいたぜ」
「ありがとうございます。でも私あの孤児院でマリンちゃんに会いましたよ」
「何だって?」
ブライアンの反応にギンが更なる説明をする。
「彼女だけでなく、魔物に襲われた村のアルもいた」
「何だって2人が孤児院にいるんだ⁉」
ブライアンが驚いているとルルーが詳しい話を始める。
「さっき、司祭様からお聞きしたんだけど、アル君は村に常駐している教徒を通して司祭様にお願いをして、マリンちゃんは、お兄さんから司祭様に頼んでもらったって話よ」
「すげえな、なんか最近の子供はできた子が多いな」
「フフフ、あなたも見習ったら」
「何だとーーー!」
ルルーの軽口にブライアンが吠えると微笑みながらたしなめる。
「嘘ウソ、冗談よ。あなたは良くやっているわ」
「何だよその言い方、お前は俺の母ちゃんかよ」
「ちょっと待って!あなたの方が少し年上なんだし、そこはせめてできた妹でしょ」
「いや、お前自分でできたとかいうのか⁉思いの他図々しいな」
ブライアンとルルーがやり取りをしている中、教徒の1人がジエイに声をかける。
「ジエイ殿、あなた様にスール国王から文が届いています」
「私にですか?」
突如、ジエイに届いた文、それが告げるものとは?