トッポックス領主の屋敷への侵入に成功したヨナ達は、遂に代官を追い詰め、自らをトッポックス領主の娘と言い放つ。
その言葉を聞いた代官はヨナに対しある交渉事を持ちかける。
「わざわざそう名乗ってまで賊を雇ったのか、何とも手の込んだやり方だ。それで、目的は金か?金が欲しければわしがお前達を雇ってやらんでもないぞ」
「いい加減にしなよ、その金はここに住んでいる人達から奪ったもんだろ」
「何を人聞きの悪いことを申しおる!民が税を払うのは当然の事であろう」
「その税を余分に取ってることは既に分かっているんだよ!そんな奴にこの領地は任せられないって言ってんだ!」
ヨナの言葉にとうとう堪忍袋の緒が切れた代官は近くにいた兵を呼び、ヨナ達に攻撃するよう命令する。
「貴様、言わせておけば……そこまで言うからには貴様らは生かしては帰さんぞ!皆の者、こ奴らを始末しろ!」
「はっ!」
兵達はヨナ達に対し、弓を放つがミニルの風の楯で全て防がれ、更にそのまま傭兵達になぎ倒されていく。
その様子に狼狽した代官は部下に声をかける。
「おい、逃げるぞ」
「ですが、ここを放棄してしまえばどのような処罰を受けるか……」
「言い訳など、逃げながら考えればよい、とにかく逃げるぞ」
そう言って代官はヨナ達の一瞬の隙を突き、この場からの逃走を試みるが、突如何者かに身柄を拘束されてしまう。
「ぐはっ!だ、誰だ……」
代官の身柄を拘束したのはジエイであり、一言だけジエイは代官に告げる。
「そこまでだ」
「ぬう……おい、何をしておる、早くわしを助けんか!」
代官は部下に自分を助けるよう言い放つが、部下も恐怖と困惑で動けないでいた。その部下に対しジエイが言い放つ。
「そこの者、王宮に戻り、この代官に領地を任せた側近に伝えよ。『もはやこれ以上国王陛下を欺くことは許さん』と」
ジエイの言葉に物凄い圧を感じた部下は、そのまま屋敷を立ち去っていく。
「あ、おい、待て!くそ、役立たずめが!」
代官が部下のふがいなさに言葉を漏らしていると、ウィルが現れ、ヨナ達に声をかける。
「なんとか突破したけど、屋敷から逃げていった奴も何人かいたな」
「このように代官を捕らえましたので、彼らももはや戦意を喪失したのでしょう、あえて追う必要はありません」
「そうだな、雑兵を何人倒しても意味はねえからな」
各人の連携により、屋敷の代官を捕らえ、屋敷から兵を追い払うことに成功した。
グラッスとトッポックスが向かう道を正しくする第一歩だ。