魔物のゴズと戦うプラナであったが、その剣技と腕力に圧倒され、魔法も通じないでいた。そんな時、ギンが現れプラナは窮地を脱した。
「兄さん、来てくれたのね」
「プラナ、よく頑張ってくれた。後は俺達に任せろ」
ギンとプラナがやり取りをしているとギンより少し遅れ、エイム、ブライアン、ルルー、ムルカも到着し、ルルーが結界の様子に違和感を覚え、言葉を発する。
「あれはマザー達の結界!でもおかしいわ、波動が歪んでいるように感じるわ」
「魔力のこめられたシルバーウルフが体当たりをしていました。おそらくその影響かと」
プラナの発言を聞いてルルーは院内を案じ、決断する。
「私が張り直すしかなさそうね、私は孤児院に入って結界を張るわ」
「その方も院内にお願いします。ひどいケガなので」
プラナはホセの怪我を心配してルルーに院内へ連れて行くよう懇願し、その発言にムルカが反応を示す。
「ならば私が運んで行こう」
「お願いします、では参りましょう」
ルルーと、ホセを抱えたムルカが孤児院内に入ろうとする様子を見てゴズは魔物に指示を出す。
「そうはいくか、奴らを始末しろ!」
シルバーウルフがルルー達に迫るが次の瞬間ブライアンの斧に斬られ、エイムの風魔法で飛ばされる。
「おっと、邪魔はさせないぜ」
「ムルカ様、ルルーさん、シルバーウルフは私達が食い止めるので今のうちに中へ!」
「お願いするわ」
エイムとブライアンがシルバーウルフの相手をしている間にルルーとムルカは孤児院の結界の前に立ち、ルルーは結界に魔力を流し込み、結界を解除し、そのまま院内へと入っていく。
そしてルルーは結界から感じた魔力の波動からマザー達が大広間にいる事を察し、そこへと向かい、ホセを抱えムルカも向かって行く。
大広間に着くとマザーがルルー達に反応し言葉を発する。
「ルルー、やはりあなたが結界の解除を、ムルカ、その方は……」
「マザー、今から私が結界を張ります。その間にこの方の治療をお願いします」
ムルカがホセを床に寝かすと、ルルーは呪文の詠唱を始める。
「我を加護し神ミッツよ、わが信仰と力を糧に我の望みに応えよ。
ルルーが呪文の詠唱を終えると新たな結界が完成し、世話人が感嘆の言葉をあげる。
「すごい、たったお1人で私達以上の結界を作るなんて、さすがはルルー様」
「感心している場合じゃありません、急いでこの方の治療をしましょう」
ルルーの更に強力な結界で子供達は守られた。いよいよ決着の時だ。