マザー達が張った結界は魔力を込められた魔物により、大きなダメージを受け、結界の破壊を免れる為ルルーは自らが新たな結界を張り直し、子供達を守る。
外でシルバーウルフを食い止めているエイムが魔力を感じ、ブライアンに声をかける。
「ブライアンさん、ルルーさんが結界を張ってくれました」
「そうなのか、しかしまた突撃されてボロボロになんねえか?」
「先程の結界より魔力が強力なのでそう簡単には破られません」
「それなら孤児院はルルーに任せて俺達は魔物を蹴散らすぞ」
そう言ってブライアンは再度魔物達に向かっていき、エイムも魔法で攻撃をする。
そんな中、ギンと対峙するゴズは新たな結界の発生に困惑し、言葉をもらしていた。
「くっ、まさかあれ程の結界を作れる奴がいるとは……」
「どうした、さすがにお前でもあの結界の破壊はあきらめたか」
「ふん、どんな強力な結界であろうと術者の魔力が尽きればそれまでよ」
「残念だが、そんなことにはならない、何故ならその前に俺達がお前達を倒すからだ!」
ギンの言葉を挑発と感じたゴズは怒り、ギンに斬りかかっていく。
「許さんぞ、貴様は身体を少しづつ切り刻みながら殺してやる」
ゴズの剣戟をギンは自らの剣で受け止め、その瞬間魔法で剣を強化し、ゴズを驚愕させる。
「剣に魔法を⁉貴様が例の魔法剣を使う剣士か?」
「魔物の間でも俺の事が知れ渡っているのか?」
「ブロッス帝国のギガスをも追い詰めた奴がいるというのをアルド様より聞いていたがお前達だっとはな」
そう言って、ゴズは後退し、更に言葉を続ける。
「だが、所詮は人間、我ら魔族の前では人間の中での実力者たるギガスも大したことはなかったからな」
「みくびるなよ、俺達人間を」
そう言ってギンは魔法で火を起こし、魔法剣に転用した。
「フレイムボム!」
「何⁉あれは……」
ゴズがフレイムボムと魔法剣の掛け合わせに困惑する中、ギンは速度強化魔法でゴズに接近し、一気に斬っていく。
「ぐわああああ!」
ゴズの叫びが響き、プラナもギンの魔法剣に驚愕し、言葉がもれる。
「すごい、あんな強力な魔法まで魔法剣に転用するなんて……」
ギンの魔法剣の前に敗れたゴズはもはや虫の息に等しかったが、ギンに対し、言葉を放つ。
「俺を……倒した……からと……いって……いい気になるなよ……アルド様は俺なんぞよりも……上だ……今に貴様らを……」
ゴズはそのまま息絶えた。
指示をする者を失ったシルバーウルフ達もその場から逃げ出すようにいなくなる。
子供達を守りきれたのだ。