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もたらされた知らせ

 ゲンジの馬車とは別の馬車より降り立ったのはブロッス帝国将軍フィファーナであった。


 ギン達に知らせることがある為、ジエイ達に同行を願い出たのだ。そんなフィファーナがプラナの存在に気付き、プラナに声をかける。


「おお、そちはプラナではないか、帝国を離脱したとは聞いていたが、息災であるか?」

「お久しぶりでございます、フィファーナ将軍。将軍におかれましてはいかがでしょうか?」


 プラナは片膝をつきながらフィファーナに挨拶をし、そんな態度のプラナにフィファーナは言葉を投げかける。


「そんなにかしこまらんでもよかろう、もうわらわとそちは将軍と騎士の関係ではないのだから」

「いえ、私の立場が変わってもフィファーナ将軍は敬愛するお方のお1人でございます」

「そうか、嬉しい事を言ってくれるが、その敬愛の情をも超えているのはカイスであろう」

「フィファーナ将軍、それは……」


 フィファーナの思わぬ発言に戸惑い、思わずプラナは顔を赤らめてしまうが、フィファーナは言葉を続ける。


「今さら照れる事はないであろう、我が隊でもそちのカイスへの思いは騎士として上官としての敬愛を上回っていることで話題になっておったわ」

「フィ、フィファーナ将軍……」


 恥ずかしさのあまり、言葉を失いかけているプラナを見て思わずルルーがフィファーナに声をかける。


「あの、フィファーナ将軍、もっと重要な話があるのでは?」

「おお、そうであった、すまぬすまぬ」


 ようやくフィファーナが話そうとする時に、先んじてギンが尋ねる。


「わざわざジエイ達に同行してまで俺達に話したいという事はよほどの事だろう、ジエイ達にはもう話したのか?」

「いえ、フィファーナ将軍は我ら全員にまとめて話すつもりっだたので、我らもまだ聞いておりません」


 ギンのフィファーナへの問いにジエイが代わって答えるとフィファーナが話し始める。


「わらわとしてもこの話は1回で済ましたいからの、それに部下からの報告を正確にまとめる時間も必要であったからの」

「それで、何があった?」

「まず言わねばならんのがカイスがブロッス帝国の皇帝に即位したのじゃ」

「カイスが皇帝に⁉」


 フィファーナがギン達に伝えた最初の情報はなんと魔導騎士団長であったはずのカイスがブロッス帝国の皇帝に即位していたことであった。


 ブロッス帝国で何が起きているのか?

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