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伝言の伝言

 ボガードの部下であるリンドに頃合いを見て自分達を帝国まで迎えに来るように頼んだルルーとウィルはギン達が待つ船着き場に戻り、ルルー達の姿を目にしたギンが声をかける。


「ルルー、ウィル、リンド殿には会えたのか?」

「ええ、私達が出港してから頃合いを見て帝国まで迎えに来てもらえることにはなったわ」

「帝国の警戒が強い恐れもあるから無理はしないようにも言っておいたぜ」

「そうだな、それがいいだろう」


 ギンと会話している途中にルルーはある変化に気付きギンに尋ねる。


「ねえ、ギン、エイムとムルカ様、それからジエイとヨナはどうしたの傭兵団の人数も少ないようだし」


 その場に残っているのはギンとプラナ、そしてブライアン、ミニルであった為、残りのメンバーについてルルーが尋ねるとギンが残りのメンバーについて説明をする。


「エイム達は船に詰め込む物資を買いに行っている、人手がいるだろうし傭兵団にも行ってもらった。俺達はここで待っていた方がいいだろうということになった」

「そうなのね、じゃあみんなが帰ってきたらフィファーナ将軍の船を探しましょう」

「そうだな、奴らも軍船だとばれないように偽装しているだろうから慎重に見極めないとな」


 ギンとルルーがやり取りをしている中、ミニルがウィルに尋ねていた。


「ねえねえ、兄さん、リンドから父さんの事何か聞いてない?」

「親父の事?どうして?」

「父さんの事だからリンドに何か伝言してるって思ってさ、それでどうなの?」

「別に大したことはねえよ、お前が変な男に引っ掛からねえようにガードをしろとは言われたけどよ」


 ウィルの返答に対しミニルは自分の考えを話す。


「みんないればそんな心配はないのに、父さんそんなこと言ってるの?相変わらず親バカね」


 ウィルとミニルのやり取りの中、ルルーはブライアンに耳打ちでウィルが話していない事を告げる。


「本当は私達の事が伝わっていてウィルの活躍も言い方は遠回しだけど認めていたの」

「じゃあ、あいつも少しは目標に近づいているんだな」

「そうなのよ、それで結構やる気に満ちているわ」

「ここに立ち寄ったのも時間の無駄じゃなかったな」


 ブライアンとルルーがひっそり話をしていると、どこからともなく声が敷た。


「あ、ルルーさん、ウィルさん、戻っていたんですね」

「その様子だとリンド殿には会えたようだな」

「船用の荷物を買ってきたので、馬車に詰め込みましょう」

「それが終わったらあの将軍の船を探そうか」


 エイム、ムルカ、ジエイ、ヨナが船着き場に戻ってその場に全員が集結した。

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