フィファーナの船にギン達がこれから乗ろうかという時に、ウィルやミニルがヨナのグラッス王マルスへの恋心に言及しており、困った表情が続いている。
この状況をさすがに見てられなくなったのか、ブライアンとジエイがウィルとミニルに声をかける。
「なあ、お前ら、さすがにそろそろいいんじゃねえか?さすがにあそこまでヨナが困るのは俺も見てらんねえぜ」
「左様、多少緊張をほぐす効果はあるでしょうが、力の抜けすぎも困りものですな」
ブライアンとジエイの発言を受け、ウィルとミニルがヨナに謝罪する。
「悪い、少し調子に乗っちまった」
「ごめん、まさかそんなに困るなんて」
「そうだよ!2人共調子に乗りすぎだよ!でもジエイの言うように緊張をほぐそうとしれくれたなら、それはありがとう」
「え?あ、ああもちろんだぜ」
「そ、そうね、さすがはジエイさんだわ」
少々歯切れの悪い言い方をするウィルとミニルに対し、疑いのまなざしをするもあえて深くは触れず、ヨナは軽く流す。
「何か怪しいけど、まあいいや、さっさと船に乗ろう」
ヨナの声を聞いて、ギン達はフィファーナの船に乗り込み、ルルーが確認の為の声掛けを行う。
「みんな乗ったかしら?」
「そうだな、傭兵達も乗っているようだ」
「そうみたいね、それではフィファーナ将軍、お願いします」
「ふむ、ではこれよりブロッス帝国に帰還する、舵を切れーー!」
フィファーナの号令でフィファーナの部下が舵を切り、船を出航させる。ニリの港町から離れ、沖に出るとフィファーナよりギン達に声をかける。
「あとは帝国に着くまでゆっくりしておれば良い、じゃがギン、ジエイ、それから聖職者の娘よ、そち達はわらわの部屋に来てくれるか少し話がしたい」
「3人だけか、俺達はダメなのか?」
「そち達が全員入ったら、わらわの部屋が狭くなってしまうわ」
フィファーナの発言にブライアンが自分の考えを告げる。
「そっか、何か船の事で手伝えることがあったら言ってくれ、あんたらの世話になりっぱなしはなんか気持ち悪い」
「今はゆっくりしておれ、困ったら嫌でも手を貸してもらうからな」
フィファーナがそう言って、ギン達を自らの部屋に案内するように誘導するとルルーがブライアンに声をかける。
「じゃあ、私達いくからね、それにしてもブライアンも案外気が利くのね」
「何だよ、お前は俺を何だと思っているんだ」
「うーん、ガサツな力持ち?」
「何でそこで疑問形なんだよ!って、ああ、ったく」
ブライアンの抗議も軽く流しギン達と共にルルーはフィファーナの部屋に向かった。