ブロッス帝国の帝都に通じる森に入り3つの道を3組に分かれて移動し、それぞれが森を抜けていた。
全員がまず真ん中の道付近の場所に移動し、そこで合流することに成功する。
「どうやら全員無事のようだな」
「ええ、帝国の兵にも発見はされなかったし、良かったわ」
「だがもう、ここから帝都までは一直線だし、もうコソコソなんてできねえぞ」
ギン、ルルー、ウィルがそれぞれ発現する中、ヨナがウィルの発言を聞いて少し冗談めかした言葉を放つ。
「もう案外あたし達の存在を知って、あえて泳がせていたりしてさ」
「おいおい、ギガスがいた時でも俺達に負けているのに、わざわざそんなまどろっこしいことするのか?」
「まあ、さすがに無いとおもうけどさ」
ヨナとウィルのやり取りを聞いてギンが2人に声をかける。
「いずれにしても、もう俺達は正面きって行くしかない、行くぞ」
「あいよ」
「おう」
ギン達が帝都に向かおうとしている頃、その帝都の城内にある玉座の間にて新皇帝のカイスが兵士より報告を受けていた。
「申し上げます、例の魔法剣を使う剣士の一味が森を抜け、帝都まで迫っております」
「そうか、フィファーナが献上品を送ったという知らせがあり、届かないと思って調査を命じたらそういうことか……」
カイスの発言を聞いて、そばに仕えているルドルフがカイスに対して助言をする。
「陛下、これはフィファーナ将軍の我ら帝国への反逆行為に他なりませんぞ、敵性国家の侵入を手引きするなど仮にも将軍がするような行いではございません」
「今はフィファーナの事より、こちらへ迫っているギン達への対応が優先だ」
「それが、報告ではプラナ様らしき人物がいたという報告がありましたが……」
「……、見間違いではないのか?騎士プラナは死んだのだ」
プラナらしき人物がいたという報告を受け、一瞬動揺するも、プラナは死んだと主張し、その報告を見間違いであるとカイスは一蹴し、玉座の間にいたトーラスに指示を出す。
「トーラス、お前が魔導騎士団を指揮し、ギン達を討伐せよ。本当ならば私自ら奴らを討ち果たしたいところだが手が離せぬ事が多いものでな」
「……はい」
「トーラス、これは帝国を守る為の戦いなのだ、奴らを討たねば帝国に未来はないのだ」
「はっ!ではこれより出撃準備をして参ります」
カイスの命令を受け、一度は和解したギン達と戦う事にトーラスも葛藤していたが、帝国を守る為、トーラスは戦場に赴こうとしていた。