@ 61話 Q世代
あまりのわざとらしさにCIAが姿を現した。それは盗聴がバレていることを意味するからだ。
「千畝さん、少し話し過ぎですよ、ヒヤヒヤしましたよ」
「ま、いーじゃねぇか、陰謀を暴かないってなら、CIAも文句ねーだろ?」
「信用した訳ではないので、帰っていただけるまで見張らせていただきますけどね」
「……ところで1人かね?」
そう言うと千畝は距離を保ったまま辺りを無作為に歩き出す。不意にエモが位置を千畝の後方へと変えたからだ。
「あぁ……ペンシルなら千畝さんと居たもう1人を見張ってますよ」
「いいのかい? 俺に教えて」
「大丈夫ですよ」
それに合わせるように若いCIAも一定の距離をとるように回る。
「ねー、ペンシルって名前のなの? あの坊主頭のおじさん?」
「あぁ、それは勿論コードネームですよ。ユニバーサルネームであれば何でもいいんです。因みに今回僕は、タキシードです」
「仁は何してるって?」
「今回、
歩き回っていた千畝がガムを踏んだのか、靴裏を地面に擦りつけ、確認している。
「真球のことまで知ってるのかい?!」
「知っていても我々には何の興味もないことですけどね」
イイネ様の驚きにCIAは平然と答える。
「1つ情報をお渡ししますと、千畝さんのお友達の仁・武蘭という男はケネディ暗殺を阻止しようとするシーカーを殺すことと、真相を暴こうとするもの、つまりあなたたちを殺すことが目的のようですよ、それは我々も同じですが」
タキシードは『あなたたち』のところで、ナミたち6人を目で示した。
「ま、千畝さんも以前のクエストで仁と色々あったようですが……」
「お前さんもお口が過ぎると、碌な目に合わねーぜ?」
「日本は奇麗でいいですよね。どうやらガムを踏んづけたようです、……本当に碌なことない、だからそろそろお暇しますね」
CIAのタキシードは至って普通に帰って行った。完全に姿が消えたのなら、千畝が改めて言う。
「お前たちもさっさとギブアップして帰るんだな」
「生憎あたいらはクエストよりもレジスタンスなんでねぇ」
「困ったお姉さんだ……なるべく美人の相談は乗るようにしてるんだが……」
「
「分かってるじゃないか……」
「それに……あんたがレジスタンスじゃない証明もされてやしないじゃないかい」
「ダメかい?」
「美人って言葉だけは貰っておくけどねぇ……」
「じゃあ、敵対しないようお互い気をつけよう」
「そうね、あんたがレジスタンスでないことを祈っとくわ」
「父さん!」
「藍、またな!」