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第68話

「お嬢ちゃんはシャルドに会いたいってことだろ? 手伝ってやれんこともない」

「お母さんの居場所を聞き出すわ! それとお母さんとお父さんに謝ってもらいたい」


「父さん……僕はどうしたらいいか分からない……父さんのスパルを解除できないのか? 解除する方法はないのか? だからまだこのクエストを諦めたくない」

「アポロ計画とエリア51においてアメリカを敵に回すようなら、レジスタンスを捕まえるのに協力しますけれど……僕はこれ以上、問題が起きる前にみなさん帰って欲しいです」


「あたいたちもレジスタンスのリーダーを捕まえられるんなら、協力したいよねぇ?!」

「ねぇねぇ、俺はさ、俺はいつだってナミちゃんの味方さ!」



◆◇◆◇



 どうやってシャルドを釣るか……あれから数日過ぎた。きっと仁が戻ってこないことはスナイパーが報告していることだろう。当然、レジスタンス側は用心しているはず。

 勿論仁がレジスタンスの在り処を漏らすことはない。そんな中、デンちゃんが仁に問いかける。藍と千畝以外の7人がいる場のことだ。


「ねぇ、『イルミナティ13血流』って知ってる?」

「……?!」


「そのリアクションは『知らない』ってことでいいのかな?」

「…………」


「もし、シャルドもこれを知らないなら、このディープステートの情報を餌に釣りだせないかな?」


 仁から向き直ったデンちゃんだが、他の誰もデンちゃんの意図が分からないで困っている。


「ねー、デンちゃん。その13何とかってなーに?」

「うん、実はね、イルミナティ13血流ってばね……」



 イルミナティ13血流とはロスチャイルドやロックフェラーに代表される富豪が新世界の秩序を操る陰謀説でディープステートの黒幕と思われる。

 その中でロックフェラーが計画した連邦準備制度に反対した大統領である、リンカーンやケネディは暗殺されている。その地区連邦準備銀行12の中にダラス連邦準備銀行がある。ケネディ暗殺はダラスの総裁、カプラン家主導の計画であったのであろうか?


 その場にいるタキシードは知らん顔を装うも、聞かずにはいられなかったのであろう。


「その情報をどこで?」

「フーバーさんから聞きました」


「FBI長官の?!」

「そう、大統領を脅せる男、フーバーさんです。江川さんのとき、ナミちゃんが正子さんに……」


「江川? 正子? 一体何の話です?」

「CIAとFBI……意外とそんな関係だってことだね」


「でもどうやって?」

「簡単、簡単。こっちには今CIAの言う『未来人』が13人いるよね、多分。FBIは俺たちのことを調査しても何も出てこない。つまりは知りたいはず。だから交換条件で……」


「教えちゃったんですか?」

「いいや、言わないよ。でも大統領をも脅せるフーバーさんが、意外と弱腰なんですねって言ったら興奮してたかな……?! それで『イルミナティの13家』って口を滑らせちゃったみたい。多分俺が13人って言ったから、連られちゃったんだね」


「これをレジスタンスに流せば13家のいずれかにおびき出せる、ってわけですね」

「いいや、アスター、バンディ、ロックフェラー……地理的にこの3家のどれかだと思う」


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