早速約束を果たすべく、ルミナが寝た後俊則は絵美里の部屋へと向かった。
今夜はそこで一晩過ごしてもらう予定だ。
最近ずっと夜は絵美里とルルがもうお腹が大きい事と、ルミナがいることでほとんど私の部屋で寝ていた。
その、よ、夜の体操もするからね。
あう♡
俊則も、その、お、男の人だから……
コホン。
確かにちょっとズルいかなとは思っていたけど……
うん、やっぱりこういう事はちゃんと順番にしないと不公平だよね。
まあ俊則夜中にちゃんと二人の様子を見に行っていたみたいだけど。
相変わらずすごく優しい人だ。
そういうわけで今日私は久しぶりにルミナと二人きりで寝るんだけれど……やっぱり寂しい。
はあ、もう俊則がいつも優しいせいだからね。
数えきれないないくらい触れ合ったし、ルミナも出来ちゃったりしたけど……
いつまでも慣れない。
凄くときめいてしまう。
私は寝ているルミナを見る。
ぷっくりとしたほっぺた。
ふわふわな髪の毛。
可愛い私たちの宝物だ。
「ふふっ、今日はママがあなたを独占するんだからね。可愛いルミナ……おやすみ」
私は可愛いいルミナの頭を撫でて目を閉じた。
※※※※※
俺は絵美里の部屋のドアをノックした。
「絵美里、俊則だけど。入っていいかな」
「は、はい。どうぞ」
部屋に入ると何故か顔を赤らめ絵美里が潤んだ瞳で俺を見つめてきた。
もうお腹が大きいから最近はそういうことはしていないから、なんだかすごく緊張してしまう。
俺はベッドに腰かけている絵美里の隣に座り、彼女の肩を優しく抱いた。
久しぶりに感じる彼女のぬくもりと香りに俺の胸が高まる。
「あ、嬉しいです。先輩♡」
絵美里が俺に頭を預ける。
ああ、本当に可愛い。
もう来月には俺の子供が生まれる。
絵美里のお腹をそっと撫でた。
「あ♡……動いた……ふふっ、パパってわかるのかな」
「うん。絵美里、大丈夫?こんなに大きくて……女の子は大変だよね」
お腹を撫でることに俺は喜びを感じる。
愛する人との子供がここにいることに感動してしまう。
「元気に生まれるんだよ。パパといっぱい遊ぼうね」
「……先輩?」
「ん?」
「ん」
絵美里が顔を俺に向け目を瞑る。
俺は優しく彼女の唇にキスを落とした。
「んん♡……ああ、嬉しい…好き…先輩、大好き♡」
「うん。俺も絵美里大好きだよ」
強くは抱きしめられないから優しく彼女を包み込む。
彼女のぬくもりに俺は優しい気持ちが溢れてきた。
「もう遅いよ?一緒に寝よう」
「うん。……嬉しい……ねえ先輩、お腹さすってくれる?」
「もちろんだよ。……俺も嬉しいんだ」
二人ベッドに入って布団をかけた。
絵美里は少し苦しそうに横になる。
舞奈の創造で今このベッドはこの世界にない機能が付いている。
少しリクライニング出来るんだよね。
俺はしばらく絵美里のお腹を優しくなで続けた。
たまに反応するように彼女のお腹が動く。
「ふふっ、やっぱり分かるんだね。うん、優しいパパがあなたを撫でてくれているの。元気で生まれてきてね」
絵美里が凄く優しい顔でつぶやいた。
美しい。
本当にそう思ったんだ……
暫く撫でていたら絵美里が俺の腕を取る。
そしてささやくように口を開いた。
「先輩、私……幸せ過ぎて怖い」
「……」
「わたし先輩に酷いことしたのに……良いのかな……幸せになっても」
俺は彼女の髪を撫でる。
「絵美里?俺はね、君のことが大好きだよ。それにもう昔のことだよ。俺は今の、これからの絵美里が好きだ。ねえ、諦めた俺をずっと見ていてくれたんでしょ?……嬉しかったよ」
「っ!?……もう。……優しすぎるよ」
俺は彼女の手を取り指を絡ませる。
「愛しているよ。可愛い絵美里。……さあ、心配しないで。もう幸せな未来しかないんだから。……おやすみ」
「グスッ……うん。……大好き……おやすみなさい」
暫く手をつないでいると、安心したように絵美里の呼吸が落ち着いて来た。
俺は手を取り、彼女の頭を撫でて目を閉じた。
まさか死んで異世界に来るとは思っていなかった。
そして愛する舞奈と再会し、さらにかわいい絵美里とルルまで……
「幸せ過ぎて怖いのは、俺なんだよ?……何があっても絶対に守って見せる」
俺は決意を新たにし、愛おしい人の隣で眠りについた。
※※※※※
朝になり一緒に起きた俺と絵美里はおはようのキスをしてから分かれた。
俺は最初に舞奈の部屋へと向かう。
俺たちの天使、ルミナに会うためだ。
「舞奈?入るよ」
俺は静かにドアを開け部屋に入る。
舞奈は寝ているようだが、隣でもぞもぞとルミナが動いていた。
「あっ、ルミナ?」
動きすぎてベッドの端にいる。俺は慌ててベッドに駆け寄りルミナを抱いた。
「ふう、おてんば娘め。まったく誰に似たんだろうね。……寝相悪すぎ」
どうやらまだ寝ているらしい。
俺は可愛い我が子をまじまじと見る。
本当に可愛い。
舞奈に似ている……
俺がうっとりルミナを見ていると、舞奈が声をかけてきた。
「……おはよう」
「おはよう、ごめんね、うるさかった?」
「ううん、ありがとう。ルミナ結構動くんだよね。赤ちゃん体温高いから暑かったのかも」
ルミナを抱いている俺を見る舞奈が、何故か少し機嫌が悪いようだ。
ふくれっ面をしている?
「ん!」
ああ、そうか……ああ舞奈、可愛すぎる。
俺は優しく彼女にキスをする。
「……絵美里喜んだ?」
「うん。まあ俺が嬉しかったかもだけど」
「むう。……んっ!」
「ははっ、舞奈可愛い」
今度はちょっと大人のキス……
はあ、本当に舞奈はいつまでも可愛い。
どうしよう……抱きしめたくなる。
俺は宝物のルミナをベッドへ降ろし、舞奈を抱きしめる。
「ん♡……俊則……好き♡」
あああ、やばいって。
マジで……したくなる。
俺はルミナの横へ舞奈を寝かせ、そのまま抱きしめる。
大好きな彼女の香りに包まれ、欲望が沸き上がってしまう。
「舞奈……その……えっと…」
「もう……いいよ♡」
「ああああーーーーーーーんんん」
二人ビクッとしフリーズ。
俺たちの天使が起きたようだ。
二人顔を見合わせ笑みがこぼれた。
「俊則、おしめかも」
「うん。そうだね……よし…ははっ、……おしっこしちゃったね。パパが奇麗にしてあげるからね」
※※※※※
最初はできなかったおしめ交換も今では俊則はとても上手にできるようになった。
うん、最高のパパだね。
「ルミナ、気持ちよさそうだね。良かったね、パパ上手で」
「うん。……まーま、まーま」
「はい、おっぱいあげようね」
「んん♡んくっ……」
ああ、可愛い。
どうしてこんなに幸せな気持ちになるんだろう。
俊則も優しく見てくれている。
ああ本当に転生してよかった。
どうしても焼きもちは妬いちゃうけど……絵美里もルルも大好きだから。
私は毎日幸せに暮らしているよ。
心の底から、ね。