眠かったペトロは、就寝しようとベッドルームのノブに手を掛けていた。しかしユダが、バックハグしてそれを阻んでいる。
「今日も一緒に寝ないの?」
「一緒に?」
「うん。一緒に」
「でも……。昨日の今日だし……」
ペトロは羞恥心で頬を赤くする。こうして密着されるのも、ドキドキしてしまう。
「ダメ? それとも嫌?」
「嫌、じゃないけど……」
「思い出すから恥ずかしい?」
「……」
無言で返すと、後頭部からクスッと聞こえた。
「ペトロはかわいいね」
「かわいくないって」
「かわいいよ。全部かわいい」
ユダはペトロの肩に顎を乗せ、囁くように耳元で言うので、ペトロはゾクッと感じてしまう。
「全部って……」
「唇からおへそから、あそこまで」
「あそこって言うな」
「じゃあ、おc」
「ストレートに言い換えなくていい!」
ペトロは抗議のつもりで振り返ったが、今度は腰を完全にホールドされ、下半身が密着する。微笑むユダと顔が近くなり、もっと心臓が高鳴る。
「一緒に寝よ? 昨夜は、ペトロが途中で寝ちゃったし」
「だって、疲れたんだもん。最初だから無理はさせないって、言ったのに」
ペトロは上目遣いでかわいく反論する。
「それはごめん。でも、私が中途半端になっちゃったし」
「……責任取れってこと?」
「取ってくれるの?」
「取れない! でも、セルフ事後処理したって言ってたし」
「だったら、私のお願い聞いてほしいな。それとも、本番前のあれくらいで満足しちゃった?」
ユダは、にこにこしながらおねだりする。
「早く返事しないと、お姫様だっこしてベッドに連れてっちゃうよ?」
「オレの意志関係なくやる気じゃん」
「うん。したい」
ど直球に欲求を言葉にされ、ペトロは全身がビリビリッとして熱くなっていくのを感じる。
「また、かわいいきみを見たいな」
ユダの優しい目の奥から、雄が覗いた。
ペトロは、羞恥に堪えられなくて俯く。でも心臓はバクバクで、身体は熱くなってきて、早く熱を放出しないと無事に朝を迎えられそうにない。
「…………いいよ」
羞恥よりもど直球に求められたことに負けて、俯いたままOKした。その恥ずかしがる様子が初々しくて、ユダは愛おしい恋人を抱き締める。
「今晩は、最後まで寝かさないからね」
「覚悟しとく」