彩奈と学食に行った翌日。
今日は、千尋と沙耶とのお昼ごはんになった。眞白は私が学食に行ったことが羨ましかったらしく、春人たちと食堂に行っている。
「そういや、この組み合わせでお昼食べるのは初めてだね。千尋と沙耶は学食使ったりしないの?」
「うーん……一年生の時は何度か使ったけど、私はお弁当の方が落ち着くかなあ。沙耶はどうだった?」
「私も物珍しさで数回行った程度かな。兄弟の分まで一緒にお母さんがお弁当作ってくれてるから、私だけ学食ってのも勿体ないし。 ——そういえば、悠真くんって自分でお弁当作ってるんだよね? ほんと尊敬するよ」
眞白の時から料理は日常的にしていたので、自炊自体は全然苦ではない。ただ、朝早く起きてお弁当を作るのは未だに慣れない。改めてお母さんのことを凄いと思う毎日だ。
「適当に作ったおかずと、ご飯を詰めてるだけの弁当だよ。
「またまた、謙遜しちゃって……そういや、悠真くんはインスタやってないの? めっちゃフォロワーいそうだけど」
「インスタはアプリさえ入れてないな……なんか俺には合ってない気がして」
そう返すと、二人は揃って「えー!」と声を上げた。
「逆に、眞白ちゃん頑張ってるよね、インスタ。——あ、今日の食堂の画像も上がってる。『初めての学食! 楽しすぎる!』だって。ハハハ、素直でいいよね眞白ちゃん」
眞白はインスタまで始めてたんだ……千尋は眞白が上げていた画像を見せてくれた。顔までは映り込んでいなかったが、春人も一緒に写っている。
「そういや最近、眞白ちゃんと春人くんって仲いいよね? 私の気のせいかな?」
「いやいや、気のせいじゃないよ。今度、春人くんと映画観に行くって言ってたし」
沙耶は眞白と一緒に帰宅している。きっと、その時に聞いた話なのだろう。そのことを知らなかった私は、少しだけ寂しさを感じてしまった。
「えー!! 私が思ってたより、全然良い感じじゃん! でも、前から春人くんって、眞白ちゃんがタイプなのかなって思ったよね。春人くん、眞白ちゃんに声かけてること多かったから」
「え? 春人って誰にでも声かけてるイメージだけど、そんなこと無かったの?」
「ハハハ、悠真くん、流石にそれは春人くんに失礼だよ。沙耶と二人で、私たちには全然声かけてくれないねーって言ってたくらいだもん。——その点、悠真くんは触れ合えるアイドルみたいで私たち嬉しいけどね」
「ホントそれ! 私なんて、こないだ悠真くんと一緒に撮った写真、家族LINEに送って自慢したもん! だけどさ、家族全員『絶対、彼氏じゃないよね』って返してきたのヒドくない!?」
「沙耶なんてまだマシだよ! 私なんて『AI合成した画像だろ』って言われたんだから!!」
沙耶は「なにそれヒドイ!!」と大笑いした。