『……』
『なんだ……お前は……!
ば、馬鹿な真似は止めるん──!』
『嫌……!これは、違っ──!』
…………『クズ共が』
『何だ……これは……?
私は……
違う……これは違う』
『違わない……
これはお前がやったのだ』
『違う!私はこんな事は望んで無かった……』
『嘘を吐くな……
お前の心は望んでいた筈』
『嫌だ……!
こんなのは耐えられない……!』
『ならば……
私が代わりになろう……
お前の代わりに私が、罪を背負って生きよう』
『本当か……?』
『ああ……
だからお前は……
──────眠っていろ……!』
────!
「はぁっ──!
はぁ、はぁ……」
またあの夢……
────デュアリスはゆっくりと仮眠用ベッドから起き上がるとベッドサイドラックの小さな灯りをつける。
そしてラックに置いてあった色付きの眼鏡を手に取ると大きなため息を吐いた。
背中は嫌な汗でシャツが張り付く。
時計の針は深夜2時を指している。
薄暗い仮眠室にノックの音が響き、扉がカチャリと開く音がする。
「何かございましたか、マスター……?」
「……オズか……何でもない……何時もの夢だ」
そう言うと彼は立ち上がり、壁に掛けてあるジャケットを羽織る。
「“あれ“を……」
彼はそう言い、オズに何かを頼むと、彼女は一度部屋から下がり、小さな青いカプセルと水を持って戻って来る。
彼はそれを黙って受け取ると水を使って飲み下す。
やがて男の眉間の皺は薄くなり、穏やかな表情を浮かべ、小さく息を吐く。
その様子を静かに見守るオズ。
「さて、仕事に戻るとするか……」
そう呟くと彼は所長室に戻ってゆく──