人生で一番大所帯な合コンだった。
サークルの先輩から誘われた合コンだった。
相手グループも女子大のサークル内でメンバーを募ったところ、想像以上に集まってしまったらしい。
数合わせ、というよりも、「やるからには楽しくやろうぜ」というノリのほうが強い会だったと思う。
男性グループは皆、同じサークルのメンバーだが、よくぞまあ、ここまでの幅広い人達が集まったよなと感心する。
この合コンの発案者は「肉食系男子」の人だし、幹事担当は「草食系男子」の人だ。おそらく場を盛り上げるのは「ロールキャベツ系男子」の彼で決まりだろう。
他にも話題を引き出すのがうまい「白米系男子」、静かだが内面に深みを湛えた「おひたし系男子」、サークル内で人気の「カレーライス系男子」もいれば、真面目にサークル運営を黙々と支える「伊勢うどん系男子」も忘れてはならない。
フェミニンだがファッショナブルな「チョコレート系男子」、「ラテアート系男子」も女性からの人気が高いに違いない。
さぁ、今夜はどんな合コンになるか…、楽しみである。
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ここで、時を10年先に進める。
上で話した男子たちは、その後、紆余曲折ありつつも、今では、結婚して家庭を持つ人もいれば、独身で趣味を謳歌している人もいる。
「彼女がいないと恥ずかしい」「恋愛しないと一人前じゃない」「誰かに羨ましがられたい」――
そうした他人の目――そんなものはただの幻想なのだが――から解放され、一人の人間として、最高の選択を受け入れた結果だった。
つまり、メディアなどは「◯◯ではないとダメ」という論調で様々な「像」を(未だに)押し付けてくるが、そんなものを無視し、自分は自分として、対等に敬意をもって社会に接することで、ちゃんと魅力というものは伝わるのだ。
何かに「ならねば」とか「こうでなければならない」という姿勢は、一時的には「効く」のかもしれないが、それも儚い幻想だといずれ知るときが来るだろう。
今、男性の話として出したが、これは女性でももちろん趣旨は変わらない。
今宵、すべての「食卓系男子」と「食卓系女子」へ。
健闘を祈る。
【自信】