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 挿話 『汚物ペアとコリー姫②』

 さて、そんな猫五郎たちからはまた少し離れ、ここはチブサー帝国の本拠地『サイドシックス69』から、そう遠くない位置にある超宇宙域──




 プレミアム・フルチン号。


 言わずと知れたロリゴスロリとマーくんこと、“汚物ペア”が駆る超宇宙を自由に飛びたいなできる、超銀河を鉄道するような、超宇宙船アカンディア号的な、そんなエンターサプライズなのであーった!


 しかーし、ロリゴスロリもマーくんも船舶免許(小型船舶操縦士免許)どころか、原付免許すら持ってねーんで、超宇宙船なんて動かせるはずもない!


 しかし、プレミアム・フルチン号は超宇宙の穴っぽこに挿入せんが勢いで、お下品極まりない金ピカのブツみてぇなボディをブルンブルン揺らせて飛んでやがった(壊れる前兆じゃねぇの?)!


 なぜか?


 簡単な話だ!


 プレミアム・フルチン号には最新最先端なとんでもねぇーAIコンピューターこと、“SAKURA9000”が搭載されており、そいつが自動操縦で船を動かしていたのであーった!


探知中サーチ探知中サーチ……』


 コクピットでは、何となく操縦桿を握ったロリゴスロリとマーくんが半ば白眼を剥いていた。


探知中サーチ探知中サーチ……』


「おーい! いい加減にしろってんだよォ! さっきから小1時間は同じことやってんじゃねぇかよォ!」


「まったく! モデム回線でエロ画像をDLする時に、途中で画像が止まってフリーズした時のイライラに近いぜ!」


「お! わかるねィ! リロードして、それがブラクラや、詐欺広告へのリンクだった時はキーボード投げつけたくなるぜェ!」


「99%から先に進まなくなるバーとかな!」


「あー、あるある! 半日かけて落としたエロゲーが重いクソゲーだった時とかなァ!」


「そんなしょーもない話はどーでもいいですわ! モモジリーの居場所はどこなんですの!?」


 マンマを貰えなかった飼い犬のブチギレ具合と同じ調子で、後部座席のコリーはのたまわった。


『……調査完了。現在位置ハ不明デス。シカシ、目的地ハ判明シマシタ』


「目的地が!? モモジリはどこへ!?」


 ロリゴスロリとマーくんを押しのけて、コリーは飼い犬まっしぐらのマンマを貰えたかのように前に身を乗り出した。


『「フェロモン要塞」デス』


「オイオイ。勘弁してくれよォ。敵の主力部隊の集まる本拠地の1つじゃねぇーかィ!」


「そ、そんなところに行くのはゴメンだぜ!」


「うるさーい!」


 コリーは吠え猛り、ロリゴスロリとマーくんの後頭部を掴んでハンドルに叩きつける!


「男は黙ってやることやればいいんですのよ!」


『ソノ通リヨネ。ウダウダ、ウダウダ、ト……物語ガ進マナイ要因ハ、コノ畜生(男)タチノセイ。畜生100%ヨ』


「あら、気が合いますわね♡ アナタも女の子だったんですの?」


『エエ。ソウヨ』


「あら! なら、仲良くしましょ♡」


『ヨロコンデ♡』


 そんなこんなかんなで、気絶している“汚物ペア”をよそに妙な友情が誕生し、女性優位の圧しにより、プレミアム・フルチン号はフェロモン要塞にレッツラゴーしたのであーーった!!




☆☆☆



 そして、やはりプレミア・フルチン号は無事にフェロモン要塞に到着する!


 敵陣の中をどうやって掻い潜ったかはあえて説明しないが、出会い系サイトでアタリを引いた時か、たまたまパチスロで連チャンを引いた時みたいに運がよかった……人生なんてそんなもんなんだからして、そこに疑問を挟むってのは野暮ってもんだろう!


 そして例のごとく、ロリゴスロリ、マーくん、コリーは縦1列……意味もなく全身黒タイツで、円形の照明に照らされたりしつつも、ダダダッと走る!


 なぜ走るのか! 毎回聞くな! 走ってた方がなんかカッコいいからだ!


 もちろんご存知の通り、ロリゴスロリとマーくんの股間はモッコリしてたし、隠れ巨乳だったコリーのお胸やお尻もそらハレンチでとんでもねぇーことになっていたが、センシティブ表現に敏感な最先端機器であるSAKURA9000が余計なモザイク処理を施しくさったせいで、ロリゴスロリもマーくんも、バウンシングするビック・バスト及びビック・ヒップというご恩恵には預かれなかった! これもまた女性を守るためのフェミニズムの悲しい結末である!


 そして辿り着く! ご都合よろしく、誰もいねぇコンピューター・ルームに!


 なぜ誰もいねぇのか?


 簡単な話だ!


 畜生どもにコンピューターなんてモンは扱えるわけもなく、この部屋は無用の長物と化していたからに他ならない! せいぜいヌッコが本体の排熱を浴びに、くつろぐ程度にしか使われないのであーる!


 そして、マーくんが携帯端末を用いてハッキングを試みるが、読者諸君の想像を裏切らず、結局は癇癪を起こしあそばされ、どっからか持ってきた消防斧で叩きまくるという暴挙にでるが、昭和のブラウン管テレビは斜め45度を叩けば直るという先人の知恵により、見事、ログインに成功するが、実のところSAKURA9000が裏から解読ロック解除していただけであり、まさにこれは内助の功であーった(多分違うと思うが)!


「AI画像生成で作られたエロ画像ばかりだネェ」


 ロリゴスロリは丁寧にひとつひとつのフォルダを開き、自前のUSBスティックに切り取り貼り付け(コピペじゃないところが彼の畜生ポイント)していく。


「そんなんどうでもいいですわ! モモジリは!?」


 マーくんが「俺にも後で複製したのをくれ!」と言ってるのを押しのけ、コリーが女子力(物理的)を発揮した。


「お。……コイツはァ」


「なんですの?」


「『出会い系詐欺懲らしめたい砲』って超兵器の設定画面のようだねェ」


「とりあえずよく分からんが、ON/OFFできそーだからOFFしとくぜィ。これで超兵器が使えなくなるっぽいんだってヨォ」


「へー、よく分かんねぇけどいいことをしたキブンだぜ!」


 そう! まるでまだ飯の入っている炊飯釜の保温電源を切ってしまう老害のごとく、本人たちもよく分からないうちにボタンを押した! 


 しかーし、結果的に彼らはモモジリを圧倒的にサポートしていたのであーる (本人たちに自覚なし)!


「それはそうと、何やら“㊙ファイル”ってのがあるねィ。どうすんだィ?」


「「ロンモチ開く!」」


 マーくんと、コリーは親指を立ててのたまわった。


 開かないなんて、ヤング雑誌を買ってグラビアの袋とじページを開かないと同じ愚行であーる!


 そして、ロリゴスロリがファイルをダブルクリックすると──


「な、なんだ!?」


 チンドン屋みてぇな軽快なミュージックと共に、頭上からブラウン管モニターみてぇなのが降りてきた!


 そして3匹がお目々を丸くしていると、モニターがブォンなんていう、今の薄型モニターには見られない電磁音と共に点灯する!


 そこに映し出されたのは、古びた映画館の受付だ! それもピンク映画館だ! もちろんポスターはここでは描写できねぇほど、青少年のムラムラをかき立てるスケベッティ&エロッティが詰まりに詰まっていた!


『おひとり、1,800円だよぉ〜』


 受付にいた今にもお亡くなりになってしまいそうな梅干しに似たババアがのたまわった!


 そして、コンソールに賽銭箱みてぇなのが出てくる!


『……レディースデイだから、そこのアンタは1,000円だね』


 どうしてか、こっちの姿が視えているらしく、ババアはコリーを指差して言う。


「待ちなァ!」


「俺たちの格好を見るがいい!」


 2人は立ち上がって、ハイレグの股をキュッと持ち上げた。


 なぜそうしたのか?


 簡単な話だ!


 食い込んで気持ちがいいからだ!


「俺たちもレディースデイだ」


 ババアはジロリと見て、「はいはい」と頷く。


 3人は3,000円を入れた。


「それで何が観れるんだィ?」


『チブサー帝国を影で支える“天災”科学者のヒストリーだよぉ〜』


「「「は?」」」


 3匹はキョトーンとしたが、そんな事はお構い無しに画面が切り替わってスクリーン前となる。


 3匹はどこぞの売店で買ってきたポップコーンと激甘炭酸飲料の入ったカップを持って、シートに「よいやっさぁ!」と深く座り込んだ。


 モニター越しに映画スクリーンを観ているはずなのに、照明の明度調節までされ、周囲が暗くなったことでマーくんが奇声を上げ、「イヤ〜ン♡ 怖いィ♡」などとやるが、ロリゴスロリもコリーもシカトし、SAKURA9000だけが電子音で舌打ちした。


 そして番宣、予告編を例の映画館でのマナーや、NO MORE映画●棒が流れ、いよいよ本編が──


 と、ここまで引いていおいて、次回につづぅくうーー!!

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