むかーしむかしのことじゃった!
超地球がまだ健全であった頃、ある地方のさる所に、一組の熱烈バカップルが誕生した!!
熱烈バカップルは、TPOもわきまえず、そりゃどこでもアチアチっぷりを魅せつけ、タンク職でもねぇのに多くのヘイトを集め、多くの非モテメンズたちの不況を買った!!
元々は匿名掲示板で妬み嫉み僻みを募らせていた憐れなメンズたち!
それがバカップルたちのせいで、さらなる“負”の感情を集め、それが“鬼”を生み出してしまったのだ!!
“鬼”どもは、「我々は可哀想な童貞であるが故に保護されるべきである!」というわけわからん理屈を捏ねて、働けないニートであることを正当化したことで、働き手がいなくなってしまい、国は衰退する一方になってしまった!!
そこで超世界統一政府は、件のバカップルに責任をとらせようと試みたのであーーる!!
しかーし! バカップルに“鬼”を討伐するパゥアーなどもあるはずがなく、出来ることといったら山へ芝刈り(『
困ってしまってワンワンワワーンなバカップルは、考えに考えて考えすぎてしまったあまり、難しいことはエロッティに委ね、スケベッティして寝ちまうべさァと、畜生らしい現実逃避行為に至ってしまったがために、いやはや悲劇をもたらす事となる!!
それは記念すべき、12,000回目の“結合”の時であーった!!!
溜まりに溜まったエロッティとスケベッティがバカップルより生じ、エクスタシーちゅうか、ダークマターみてぇなそんな未知のエネルギーをドンドコショと迸らせる!!
そして、生まれる!!
バカップルのエロッティとスケベッティの極致エネルギーが合わさった、“ムラムラッティの申し子”が!!
「オンギャキャギャーオーン!!!」
ものすげー嵐の雷鳴響く中、“塵太郎”はこの世に生を受けたのであーーった!!!
★★★
「……はあ?」
オ・ウーナの話を聞いていた猫五郎は、心底うんざりした様子だった!
「それが“初代”・塵太郎の誕生秘話さねェ」
「初代!? 初代ってことは2代目がいるんですか?」
「うん。ワタスの魔力でジジイの消し炭から造ったのが……ってそんなことはどうでもいーさねェ!!」
『畜生転移(1もしくは無印)』の設定が今更になって出てきたが、そんなのは読者はすでに忘れてるからどーでもいいのだ!!
「とどのつまり、鬼退治のために産まれたはいいが、ムラムラッティの力が強すぎて、泣く泣く超宇宙空間に放流したのが塵太郎! オマエなのだ!!」
オキーナはドーンっていう背景音と共にアール・バイターを指差した!!
オ・ウーナはさめざめと泣くが、超宇宙空間に子供を放り出したと聞いて猫五郎は内心ドン引きしていたのは説明するまでもない!!
「黙れ!!」
アール・バイターことアナスキー…いや、塵太郎は薄い頭を取っ散らかせて、ブンブンと左右に振る!
「違う! ワシはアナスキー・チタイストーカー!! 塵太郎などではない!! 適当なことを言うな!!」
「ならば、アナスキーとやら。貴様に幼少の頃の記憶はあるか? ないだろう?」
「……ぐっ」
「アナスキー・チタイストーカー。その名前は“親”につけてもらったものか?」
「…ヌウウッ」
オキーナがそうのたまうのに、塵太郎は言葉に詰まる。
「だ、だが、しかし! ワシがキサマらの息子だという証拠はどこにもあるまい!」
「このムラムラッティを見ても、まーだそう言うのか!?」
オキーナの全身をムラムラが包んだ!
「そ、それならば猫五郎はなんだ!? ワシに匹敵する、類稀なムラムラを持ち合わせているではないか!!」
「そ、そう言えば…」
そういやすっかり忘れていたが、猫五郎もムラムラッティの力を持っていたのだ!
オキーナはチラッと猫五郎を見やる。
「……塵太郎を造る工程をしている時、側で同じく子造りに勤しんでいる野良ハチワレ猫がおった」
オキーナがそうのたまうと、「イヤだぁ、もう♡」とオ・ウーナが赤くなる(モザイクでよくみえねぇが)のに、メンズどもは吐き気を催し、オキーナは唇を白くなるまで噛んだ。
「へ? じゃあまさかそれが…」
「恐らく、ワシの膨大なムラムラが、悪のムラムラだけが塵太郎に、善のムラムラだけが側に居た野良猫の息子に宿ったのかもしれん」
「はあ!? なんですかその適当な設定は!!」
「ムラムラッティとは、そんな摩訶不思議なパゥアーなのだ。夢いっぱいのアドベンチャーなのだ」
「そ、そんな7つの球を集める冒険みたいな……」
「そうだ。ドラ○ンボールもガバガバ設定じゃないか。後から後から設定が加えられ、いまじゃ本当になにが強いのかよくわからなく……」
「なに危険なこと言ってんですか!! アンタ!!」
「ゴフッ!」
「!?」
オキーナが血反吐を吐いたのに、猫五郎はびっくら仰天する!
「……お前たちにムラムラを奪われて、この有り様じゃ。今や搾りすぎたレモンの搾り滓みたいなものだ」
全員が居酒屋の唐揚げを思い浮かべた!
「ダーリン! 安心して! アタスのムラムラを分けてあげるさねェ!!」
擦り寄ろうとしてきたオ・ウーナを、オキーナはフレキシブルアー厶のチェアで巧みに使って全力で回避する!
「……そんな馬鹿な事が。なら、ワシを我が子同然のように今まで育ててくれたサドマゾン陛下は……」
「そいつだ! それがすべての黒幕だ!」
「な、なに?」
オキーナがオペレーターにモニターをつけるよう指示を出す! その間も、オ・ウーナの猛攻を回避し続けていた!
「これを見ろ!」
「あ、あれは!!」
☆☆☆
モモジリに向かって一直線にスッ飛んで来るデカイ機体があった!!!
「やはりアール・バイターは裏切ると思っておった朕の予感は正解だった! 超宇宙に放り出されたのを拾い、育ててやった恩も忘れおってからに!!」
玉座みてぇなコクピットに座っていたのは、激怒のあまり額の血管が浮き出まくっているサドマゾンだった!
「あれがモモジリだよ、パパ」
サドマゾンの後ろから声がする。
「小さな船だ。1発で沈めてしまえばよかろう」
「それじゃ我輩の気がすまないよ!」
「吾輩の気も!」
さっきから喋っていたのは、玉座の背もたれのオブジェだと思っていた両端にある“頭”であーった!!
それは紛れもなくエスドエムとエムドエズである!
なんか割れた頭がメカメカしくなり、電球やらケーブルなんかが露出している!!
これは改造手術で地獄から復活した、メカエスドエムとメカエムドエズだったのだー!!
とどのつまり、“復活のS”なのであーる!!
「そうだな。愛する息子たちをこんな目に遭わせた糞猫五郎とやらと、裏切ったアール・バイターは尻の穴から手を突っ込んで奥歯ガタガタ言わせるだけでは物足りんよな!」
涙ぐんだサドマゾンはさらにアクセルペダルを踏み込む!!
「ブッ頃してやる! ローション家に逆らったことを後悔させてくれるわ! この、ローション家が総力を挙げて開発した最終兵器“ヤオキチ”でな!!」
【
戦艦に搭載されてもおかしくない巨大な大砲を、頭に装備した巨大KGKなのであーった!!!