鬼……
それはすなわち、童貞を拗らせた男共の“負”の感情によって生み出された魔物である事は、超宇宙にとっては常識中の常識であーる!
さてはて、このまま鬼どもをのさばらせておいては、少子高齢化を招き、行く行くは社会保障費の増大に繋がり、様々な問題が発生した上、内閣総理大臣に増税派の検討使を据えることになるのではないか、はたまた給付金出す出す言うてやってるふりをし、他人の責任は追及するくせに、自身の選挙の大敗は省みない無責任な人をリーダーに据えるのではないかという不安を抱いたクレーバーな超世界統一政府は、およそ300年ぐれぇ前から「なんとかしなきゃ!」と検討して、選挙の度にやってる風を装っていたのであーった!!
そこで、この鬼どもを生み出した熱烈バカップルの息子、塵太郎のムラムラッティのパゥワーにお目々をつけ、鬼どもの討伐に、鬼ヶ島へ出征を命じたのであーる!
★★★
「グルルルルッ!」「ヌギギギギッ!」「キシャァァァ!」
犬次郎、猿三郎、雉四郎のアニマルバージョンズは怒りに怒り狂っていた!
その理由は……
「あっれー? なぁに唸っちゃってぇんのよ? ねえ? 不満なの? 不満なのぉ? あなたたち、鬼退治に行くって自分から望んで
どこぞの論破王の如く、他人を小馬鹿にした表情で現れた顔は、なんて表現したものか……あえて例えるなら、平日の昼間から真っ白なタンクトップと茶色いハーパンにビーチサンダルという出で立ちで、ギィギィうるさい古びたチャリンコをこいで、咥えタバコ(もちろん路上禁煙区画で)をし、近所のスーパーにやって来ては、手当たり次第にスイカをゲンコツで叩き、「お。こいつは中身が詰まってんな」と独り言をのたまわっている感じの……そう! どこにでもいるオッサンに近い、あのアール・バイター……いや! アナスキー・チタイストーカー……いいや! 違う! 塵太郎(2代目)その人であったのであーる!!!
「貴様が食わせたキビダンゴは……」
「そう! それぇ! うちのクソババアがハマった黒魔術でぇ、呪いかけてっからぁ〜、俺に逆らったらぁ、ゴー・トゥ・ヘル!!」
喉を掻っ切る真似をして、親指を下に向ける塵太郎!
「クソがぁッ! お腰につけたキビダンゴを喰ったばかりにぃ〜! ワシらはハメられたんじゃー!」
「クーリングオフよぉ! こんなの不当契約よぉ! 顔だけの男のクセに!」
犬次郎と猿三郎は怪訝そうにする。
「なに言ってるんだ、お前?」
「ま、まさかこの塵太郎の顔がイイと言ってるんじゃ…」
「そうよ! 顔だけはイケメソじゃん!」
雉四郎の男の趣味は最悪だった。もちろん普段はイケメソ好きなのだが、自分に『愛してる』という甘い言葉をかけてくる男は全部イケメソに見え始める、どーしようもないタイプのビッチなメンヘラであったのだ!
「とにかく、契約解除せんかーい!」
「鬼ヶ島なんて行きたくないわよー!」
血の涙を流して抗議する猿と雉!!
「うるせぇー! 細けぇことガタガタぬかすな!」
ブビビーッ! と、屁をぶっこきながら怒り狂う塵太郎!
「ちょっくらオッパブ行ってくっからよ! そしたら、鬼ヶ島で鬼狩りじゃー!!」
「まて、塵太郎。仲間になったばかりの、我々のレベルは1。到底、鬼ヶ島で鬼退治など……ギャイン!」
塵太郎は犬次郎を蹴り飛ばす!
「じゃかましゃー!! 気合じゃ! 気合じゃ! 気合じゃ! 気合があればなんでもできる!! 風俗店で気合入れれば問題ない! いつ
塵太郎はハゲ散らかった頭から脂を飛び散らしながら叫ぶ!
「お前ら畜生は、そこで大人しく待ってろや!!」
「グルルルルッ!」「ヌギギギギッ!」「キシャァァァ!」
オッパブに入って行く塵太郎を、3匹の畜生は憤怒で見送ったのであーーった!!
さて、そんな光景を木の陰からジッと見ている者の姿があった!
「……塵太郎様。お慕い申し上げております」
あいや! 頬を染め、その謎の人物はトチ狂ったことをのたまわったのであーーった!!