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2 作文 「団地のおうさま」

※2025年■■月■■日、夢ノ宮市市立■■小学校の授業で執筆された作文。

※執筆者は同小学校3年B組に在籍する女児、田所桃。8歳。


……わたしはお母さんといっしょに夢ノ宮市の■■町にある■■団地でくらしています。


■■団地は二年前完成したばかりで、まだ新しいはずなのにいつもゴミだらけで汚いです。

それにいつも嫌な臭いがします。


わたしとお母さんが■■団地にひっこししたのは、お父さんが会社をリストラされて酒びたりになり、わたしとお母さんにぼう力を振るうようになったからです。


【中略】


だから、わたしとお母さんが■■団地にいることはお父さんにはナイショです。


後でお母さんから教えてもらったのですが、■■団地にはわたしと似たような家庭かんきょうのお家が多いらしいです。


同じクラスの■■さんや■■くんも住んでいます。

お父さんはいないし、お友だちもたくさんいるけれど、わたしは■■団地が大きらいです。

きらいというよりこわいです。なぜなら、■■団地には「おうさま」がいるからです。


「おうさま」はどこからやって来たのかはわからないけれど、すごくらん暴者でイジワルです。

■■くんはちょっと言いかえしただけなのに、「おうさま」は■■くんの耳たぶをかみちぎってしまいました。

それから「おうさま」はとても欲ばりです。


「おうさま」はお友だちみんなに命令して、毎週、水曜日に「にえ」をもってこさせます。

「にえ」になるのは虫やカエル、トカゲ、小鳥なんかです。たまにその辺の野良ねこなんかも「にえ」に選ばれます。


私達が「にえ」を用意しないと怖い目にあわせてやると「おうさま」は言います。

だから私達は仕方なく「おうさま」のために「にえ」を用意します。


■■ちゃんは飼っていたハムスターを「にえ」にしろ、と「おうさま」に命令たけれど、■■ちゃんはかわいがっているハムちゃんを「にえ」にするのが嫌で、泣いてゆるしてくださいと「おうさま」とお願いしていました。

だけど、「おうさま」は■■ちゃんをゆるしてくれず、■■ちゃんは■■■■■■■■■■しまいました。

■■ちゃんは今も意識がないまま、入院しています。


「おうさま」はわたしのことがお気に入りで昨日、「およめさんにしてあげよう」と言います。

だけど、わたしは「おうさま」のことがお父さんと同じぐらい大きらいです。

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