「ぬりかべ」とは
日本の北九州北部に伝わる怪異・妖怪。
福岡県の海岸地方の伝承では、
夜道を歩いていると突然、目の前に
「見えない壁」が出現し、
前方へと進めなくなってしまうという。
壁の横を通り過ぎようとしても
壁は左右にどこまでも続いており、
そのまま進めば崖へと転落してしまう
こともあるという。
これに対処するには、
まず落ち着いて一服し、棒で
足元を払うと目に見えない障害物は
消え去るという。
また、この怪異の正体は、
狸や鼬などの獣が陰嚢を広げ、
人間の目を塞ぐために生じる幻だとされる。
また、地方によってぬりかべは、
「野襖」「壁塗り」「壁坊」などと呼称される。