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第28話 以津真天

「以津真天」とは

江戸時代の画家、鳥山石燕の妖怪画集

「今昔が図百鬼」に描かれた

不気味な鳥の姿をした怪異。


「太平記」によれば

建武元年、西暦で言えば1334年の秋、

都に疫病が流行り、多くの死者が出た際、

毎晩のように紫宸殿の上に怪しいものが現れ

「いつまで…いつまで…」

と不気味に鳴き、人々を怯えさせたという。


鵺退治で有名な武士、源頼政によって

弓矢で射られ退治された怪鳥は

頭部は人間に似ていたが曲がった嘴があり

その中にはノコギリのような歯が生えそろい

胴体は蛇に似ていて、

両足の爪は剣のように鋭く

翼を広げると

何と4.8mもあったそうだ。



名前の由来となった


「いつまで…いつまで…」


という鳴き声は

疫病で亡くなった人々の遺体を


「供養もせず、

いつまで放置する気なのか」


と時の為政者を責めている

と言われているが

その解釈が生まれたのは

昭和以降の妖怪関連の文献かららしい。

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