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第35話 逆立ち

「諸国百物語」に記述のある

世にも恐ろしい怪異を知っていますか?


その名は「逆立ち幽霊」。


元来、「逆立ち」とは非日常の象徴であり、

「この世」と「あの世」の逆転現象を示し、

逆さま幽霊は無間地獄を落下していく

亡者を表している。



…織田信長の家来に端井弥三郎と言う

男がいた。


ある夜、川を渡ろうとした弥三郎だったが、

ふと川上から逆さまの女幽霊が口から

火を噴きながら近づき、話しかけてくる。


幽霊は、自分を庄屋の女房だと名乗り、

夫とその愛人に●害された挙句、

祟りを封じるため、遺体を逆さまにされ

土に埋められたと訴える。


同情した弥三郎は自ら船の舵を取り、

幽霊を庄屋と妾の元に送り届ける。


直後、逆立ち幽霊は

庄屋の家に突撃し、憎い妾の首を

引っこ抜いて復讐を果たす。


後日、逆さに埋められた女房が発見され

庄屋の悪事は明るみとなる。


もし夜道で逆立ち幽霊に"話しかけられたら

どうしますか?

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