福島県大沼群金山町の沼沢湖に伝わる妖怪。
髪の長さが6メートルもある絶世の女性で
誰もがその美貌の虜になるが
その正体は巨大な蛇。
人を喰らいその固い鱗は弾丸をも弾いた
という。
…時は鎌倉時代。
領主・佐原十郎義連は村人を脅かす
沼御前を退治するため、
家来を大勢引き連れ、船やいかだで
沼へと赴いた。
義連は家臣ともども
沼御前に飲み込まれてしまったが
兜に縫い付けた金色の観音像の
加護によって、毒から身を守られ、
大蛇の腹を切り裂いて脱出。
見事、沼御前征伐に成功した。
毎年、8が月の第一日曜日に
沼沢湖で開催される湖水祭り・大蛇退治は
この伝説を再現したもの。
他にも沼御前によって
おなつという娘が神隠しに遭い
山伏の祈祷によって救い出されたという
伝承がある。