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第36話 沼御前

福島県大沼群金山町の沼沢湖に伝わる妖怪。


髪の長さが6メートルもある絶世の女性で

誰もがその美貌の虜になるが

その正体は巨大な蛇。


人を喰らいその固い鱗は弾丸をも弾いた

という。


…時は鎌倉時代。


領主・佐原十郎義連は村人を脅かす

沼御前を退治するため、

家来を大勢引き連れ、船やいかだで

沼へと赴いた。


義連は家臣ともども

沼御前に飲み込まれてしまったが


兜に縫い付けた金色の観音像の

加護によって、毒から身を守られ、

大蛇の腹を切り裂いて脱出。


見事、沼御前征伐に成功した。


毎年、8が月の第一日曜日に

沼沢湖で開催される湖水祭り・大蛇退治は

この伝説を再現したもの。


他にも沼御前によって

おなつという娘が神隠しに遭い

山伏の祈祷によって救い出されたという

伝承がある。

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