これは夢なのか。やけに緑がまぶし過ぎる。太陽の光がまぶしい。
「おーい。早く来いよ。」
遠くで俺を呼ぶ声が、振り向くと仲間達がにこやかに微笑んで、俺を待っている。
「わりぃ。少し景色を眺めていたんだ。」
「勇者さまは、時々ぼーっとしますわね。」美少女の聖女が微笑む。
「少しどころじゃ無いぜ、何時もだね。」男勝りな美少女のタンクが呟く。
「そうそう。それが勇者さまなのよ。」幼顔の美少女の賢者が茶化す。
「さーて。此れから何処へ行こうか。」リーダーの美女の剣聖が。
「何処へて、俺たちの旅は先は長いんだ。ゆっくりと行こうぜ。」
俺たちの魔王退治の旅は始まったばかりだ。
ジリリーン。俺を起こす目覚ましに飛び起きる。
「遅刻する。」
現実の俺は、惨めだった。両親は相次いで亡くなり、引き取られた親戚は、冷たく扱う。
学校では、ボッチの俺。
せめて夢の中だけでも・・・。
その日の夜の夢は違った。
白い部屋。佇む美女。
「ようこそ、お出でくださりました。私はこの世界の女神。急にお呼び立てて、申し訳御座いません。決断出来ましたか?」
「決断?」話しが噛み合わない、
「異世界召喚の件ですよ。連日の冒険を此のまま続けますか?」
「連日の冒険?夢じゃなかったの。」
「現実です。連日連夜、貴方は彼女達と冒険をしていたのです。貴方の希望で其方の世界と行き来していたのです。これって、凄く魔力を使うので辛いのですよ。いい加減に此方に来て頂け無いですか。」
「夢じゃ無かったんだ。ありがとう。そちらに喜んで行かせて下さい。」
「決断してくれましたか。では、新しい夢の続きを・・・!」