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第89話 勇者倶楽部

「いらっしゃいませ。お懐かしいですね。 ええ。皆さま奥でお待ちになっておりますよ。」


ここは、王都の秘密クラブ。主催は私こと、エルフのAで御座います。


私は、幼い頃から祖母や父から、幾多の勇者様のお話を聞いて育ち、興味から始まった趣味が研究となり、勇者様に関しては第一人者と自負しております。


年?私のですか? エ~と。二十代位前の王の時代ですから、1000ね、ハァ!レディに歳を尋ねるなんて失礼な方ですね!


「いらっしゃいませ。あら、15代勇者さま。お久しぶりですね!ご帰還されたと聞いておりましたが、お戻りになったのでしょうか?」


「・・・・!」

「そうですわね。21代勇者さまが戦死されたとお聞きしました。その弔問のお帰りにお寄り下されましたか。惜しい方がお亡くなりになりました。御愁傷様です。」

「・・・。」


王国は魔王との幾多の戦いで、多くの勇者さまを召喚しました。ですが、功を成し遂げる方は僅かで、多くの方々がお亡くなりになっております。

その足跡を記し、後世に残すことが、私の使命と考え、これからも歴史書を記し編纂して行くつもりです。


私はエルフ。【勇者クラブ】の主催者で、王国歴史編纂局の局長。

今も勇者様を陰から守り、育てていく者。





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