男が、ギルドで冒険者登録を願い出た。受付の男性職員は申請書への記入を促す。
男が職業蘭に [ 勇者 ] と書くのを見て、職員は「勇者は、ダメダメ。違う職業にしなさい。」と注意を促した。
男は「何故ですか?魔王を倒す凄い職業では無いですか?」
職員「魔王がいた時代なら兎も角、魔王が倒された今は、勇者が過剰なんですよ。」
男「・・・?」
職員「良いですか。あそこを見て下さい。あの食事をしてるのが [ 南の勇者 ] その隣の飲んべえが [ 白の勇者 ] で、そのはす向かいが [ 5の勇者 ] です。そして、あそこの面接を見て下さい。田舎の貴族が未だに勇者募集をしております。」
面接「勇者さま一名を募集致します。」
「俺は [ 大地の勇者 ] だ。」
「拙者は [ 銀の勇者 ] です。」
「私は [ 北の勇者 ] 。」
「おらは [ 北北東の勇者 ] だべぇ。」
・・・・。
ほぼ30名位の勇者が並んでいる。
職員「どうですか?魔王退治で各国が、勇者召喚し過ぎた為、勇者過剰の状態となっており、冒険者以外は大変仕官が難しくなっております。私も職員採用前は [ 黒の勇者 ] でした。
仕官ご希望でしたら、他の職業が良いでしょう。」
ある冒険者ギルドでした。