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第91話 魔性の花

明るく暖かな光を浴びて、静かにそして確実に芽を伸ばす花ばな。


異世界の草原に密かに小さな花を咲かせ、可憐が一際似合っている。


「小さく丸い花弁。」

旅人は、その花の健気さに迷い、

「薬用に有能な依頼品」

冒険者は、その葉っぱの効能に喜ぶ。

「香りは、辺り四方を風で漂い」

動物は、その香りに酔い知れて、

「甘く完熟な味」

魔物は、その実の美味しさに歓喜する。


人を動物を魔物さえも、虜にする魅力は、魔力を絶えずまとわり着かせて、遠くから更に遠くから呼び寄せる。

抗い難い [ 魔性の花 ] と人は呼ぶ。


花に引き寄せられた者は、その健気さに、その効能に、その匂いに、その美味しさに、気になり愛でる。

そして、ガバッーと大きな口に飲み込まれる。そう、一瞬で。


異世界の花は、やはり [ 魔性の花 ] と言う魔物なのです。


今日も何処かで獲物を呼び寄せているのでしょう。



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