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第100話 勇者最後の旅に・・・

「もう。いい加減にしてくれ!」

男の足元に魔方陣が輝く。


一瞬にして目の前には白い空間とひとりの老人が、嫌そうな顔をしている。


「また、お前さんかい。今度で何度目の召喚だ。」

「こちらが聞きたいよ。5回までは、数えていたが、それ以降は忘れた。」

「まぁ。恒例のスキルを与えるが、もう大概は持っているから、要らんじゃろう。」

「あぁ。重要なスキルは有るし、能力も有りすぎる。下手すれば、一発で魔王アウトだね。」

「まぁ。そうじゃろうな。」


「で!じいさんよ。今度は何処に行くんだ。」

「Cー3 らしい。まぁ、次の神に情報は送付済じゃ。頑張ってこいよ。死ぬなよ!」

「じじい!それ死亡フラグだろう。・・・。まぁ、じゃーな。じいさんも元気でな。」

「あー。そうそう。今度の召喚先は、地球と聞いておるぞ。」

「地球て!俺の故郷じゃん。地球が大変なのか。じいさんよ。」

「落ち着け。依頼の地球は、パラレルワールドじゃ。簡単に説明するとお前のいた地球と別次元になる。この地球に突然ダンジョンが発生し、魔物が地上に闊歩する様になった世界じゃ。」


「その世界は、俺の世界と違うのか?俺はいるのか?」

「落ち着け。お前の世界とソックリそのままじゃよ。ただし、近代武器は、魔物には効かず魔法と剣で戦う様じゃが。

そして、お主の親や友人は、健在じゃ。しかし、地球のお主は現在異世界へ召喚中となる。そこで召喚された地球のお主に代わって、今のお前が行って地球を守って欲しいとの依頼じゃ。」

「変な話だな。で!依頼て、王はいないだろ。誰から。」

「地球の神から依頼じゃ。

丁度良いからお前に決めたのじゃよ。感謝せいよ。但し、召喚された地球のお主に近いステータスからのスタートだがの。レベルの上昇で調整する段取りじゃ。頑張ってこいよ。」

「ありがとうよ。じいさん。会えるのは、これで最後して欲しいもんだね!」

「気を付けてな。今度こそ最後の別れじゃよ!元気でなぁ。」


神に見送られて、男は意気揚々と最後の旅に出掛けていった。


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