「ようこそ勇者一行さま。」
「ここは何処だ。これから魔王城での決戦のはず?・・・あれ、貴女は誰ですか?」
「私は19世界の女神。貴方達にうちの世界の魔王を倒して欲しいのです。」
「えーぇ。私の国はどうなるの。魔王を倒さないと国が無くなるのよ。」
「お静かに! 59番世界の聖女。」魔法で拘束される聖女。
「女神!聖女に何をする。」聖剣を片手に立ちはだかる勇者。
「御免なさい。でも、冷静になって私の話を聞いてくれる。」
「うむ。」警戒感を漂わせる勇者。
「私たちに協力すれば、帰還魔法で元の世界に帰して上げるわよ。・・・聖女さん。お聞きしますが、たしか、59番世界は帰還魔法の使用許可が下りていなかったわよね。私の勘違いかしら。そして彼処の王国は、帰還と称して召喚者を排除すると聞いていたけど?どうなの!」
「・・・。」沈黙の聖女。
「本当なのか?」詰問しながら、戸惑う勇者。
「聖女さん。此方の魔王を倒してくれたら、帰して上げるわよ。勿論 勇者もね。・・最も勇者が帰ってくれるかはわからないけど。」
沈黙の一行。
「どうするの?」女神の問いかけに、
「わかった。貴女に協力しよう。だが、本当に帰してくれるのか。」
「大丈夫よ。褒美も望むままに与えるわ。ただ聖女どうするの?協力してくれる。その後は悪い様にしないから。」
沈黙の中で、頷く聖女。
「さぁ、決まり。お願いね。」
勇者一行は、僅かな訓練の後、魔王を倒した。
「ありがとう。勇者さま。お望み通りに帰還しますか?」
「お願いします。」勇者は、褒美と共に帰還を承諾する。
「所で聖女はどうする?助けるの?放置?」
「勇者様、お願いします。王国を助けて下さい。」必死に願う聖女。
しかし、過去を聞いた勇者には伝わらない。
「勝手にすれば良いさ。自業自得だな。」
「そんな・・・。」
「聖女。提案だけど傭兵団に入らない。貴女の様な余り者を集めているの。今回は無償で助けて上げるわよ。」
「わかりました。お願いします。」
こうして、19番世界の傭兵団は、少しづつ強化されている。