「お前が、召喚者か。」
「・・・。 は、ハイ。」
「魔王様。威圧を抑えて下さい。
可哀想に怯えているでは無いですか。
大丈夫ですよ。」
魔王国宰相が、召喚者に優しい言葉をかける。
「ム、むう。」黙り込む魔王。
魔王国宰相は改めて、召喚カードを確認しながら召喚者に尋ねる。
「貴方のスキルは、どの様な能力を兼ね備えているのですか?
私どもは、異世界の商品を欲しております。貴方のスキルで用意する事が出来ますか?」
「い、異世界商品?・・・あーあ私の世界の商品ですか?
ちょっとお待ち下さい。・・・・・・大丈夫ですよ。
私のスキルは [ 仲卸 ] らしいですね。」
「仲卸?どの様なスキルなのですか?」と宰相は尋ねる。
「商品を買い付けて、その商品が必要な店に卸す。そんなスキルです。」と答える召喚者。
「ほうほう。上々ですね。」
宰相は、魔王に振り返えり、
「これで異世界商品を購入できます。」と安堵で応えた。
「うム」と満足気を隠しきれない魔王。
宰相室に戻り「はぁ!」とため息が漏れる。
「幾ら勇者が嫌いと言っても、人族に溢れる異世界商品の取り入れまで拒否して、そのストレスを部下に当てられては溜まったモノでは無いからな。
でも、欲しのに我慢するのが魔王様の性格ですからね。
まぁ、仕方ないですか。」と一人納得顔の宰相でした。