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第135話 欲しいものは、ハッキリと言って

「お前が、召喚者か。」


「・・・。 は、ハイ。」


「魔王様。威圧を抑えて下さい。

可哀想に怯えているでは無いですか。

大丈夫ですよ。」

魔王国宰相が、召喚者に優しい言葉をかける。


「ム、むう。」黙り込む魔王。


魔王国宰相は改めて、召喚カードを確認しながら召喚者に尋ねる。


「貴方のスキルは、どの様な能力を兼ね備えているのですか?

私どもは、異世界の商品を欲しております。貴方のスキルで用意する事が出来ますか?」


「い、異世界商品?・・・あーあ私の世界の商品ですか? 


ちょっとお待ち下さい。・・・・・・大丈夫ですよ。

私のスキルは [ 仲卸 ] らしいですね。」


「仲卸?どの様なスキルなのですか?」と宰相は尋ねる。


「商品を買い付けて、その商品が必要な店に卸す。そんなスキルです。」と答える召喚者。


「ほうほう。上々ですね。」

宰相は、魔王に振り返えり、


「これで異世界商品を購入できます。」と安堵で応えた。


「うム」と満足気を隠しきれない魔王。


宰相室に戻り「はぁ!」とため息が漏れる。


「幾ら勇者が嫌いと言っても、人族に溢れる異世界商品の取り入れまで拒否して、そのストレスを部下に当てられては溜まったモノでは無いからな。

でも、欲しのに我慢するのが魔王様の性格ですからね。

まぁ、仕方ないですか。」と一人納得顔の宰相でした。






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