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第216話 地上を目指して昇って行く

 そろそろ夕方なので地上を目指して階段を上がって行く。


 二十四階は通路迷宮に戻る。

 くつしたに乗ったチアキを先頭にして迷宮を走破していく。


 ストーンゴーレムがまた出たが、【ぐるぐるの歌】と、鏡子ねえさんの鉄拳の敵では無かった。

 ゴーレム単体だと苦戦はしなさそうだ。

 俺の【気配察知】と【観察眼】が組み合わさったのか、なんとなくコアの位置が解るようになっていた。

 人体で言うと心臓の位置にあったり、脳の位置にあったりするな。

 個体でコア位置が変わるようだ。


 ドロップ品は石版が出た、と思ったら写真のパッケージで、中身はDタブレットであった。

 俺の部屋で動画を見るときにでも使おう。


 キングトードも二回、六匹出た。

 スネークスティレットを持って居たのを思いだし使って見た。

 一撃で絶命させる事が出来たが、まあ、トード系なので、普通に切ってもいいし、くつしたのブレスでもこんがり焼ける。


 ドロップ品は、カエル玉がまた出た、二個目である。

 【雨呼びの歌】という楽譜スコアが出たが、これは雨乞いの歌らしい。

 冒険にはあまり使えないな。


 そんなこんなで苦戦せずに二十三階への上り階段に到着した。


 ワンコ階再びである。

 オルトロス、ヘルハウンド、アタックドックが現れて、主に銃撃とくつしたブレスに倒され


『というか、くつした強すぎやん』

『ブレスがなあ、体当たりがなあ、咆吼がなあ』

『ケロベロブレスはファイヤーランス相当の威力があるから、中級の魔法使いが入ったに等しいな、そしてこの魔法使い、体当たりをして、咆吼で敵をとめ、幼女を乗せるという大活躍』


 そう考えると、くつしたは相当強い従魔だよな。


 ドロップ品は、オルトロスぬいぐるみ、ヘルハウンドホットドッグ、ドックリング(耐火+10)、等が出た。


「みのりはドックチョーカー付けてるから、リングも付けろ」

「チアキちゃんは水耐性、私は火耐性なんだねっ」


 惜しい事に、ミノリの装備は百万円バード装備なので、ドッグ胴丸とか出ても交換しにくい所だな。

 耐性装備も集めておいて損は無いだろう。

 属性攻撃をしてくるレグルス陛下などが相手だと、火耐性装備でダメージを割り引くと戦いやすいし。


 オルトロスぬいぐるみも出たので、みのりが喜んでいた。


「マイ、オルトロスぬい!」


 女子の趣味は解らないなあ。


 さっくり二十三階を走破して、二十二階に上がる。

 上がった所の安全地帯で一休み。


 女子組が休憩のたびに、くつしたをモフモフしに群がっている。

 ちゃんと休みなさいよ。

 泥舟が携帯コンロを出してお湯を沸かし、お茶を入れてくれた。

 暖かいお茶はほっとするね。

 ほねほねビスケットを出してみんなでつまむ。

 うん、なんか微妙な味。


「次のお休みはミノタウロスさんだね、タカシくんの因縁の相手だね」

「戦って見て、やばかったら、かーちゃんを呼ぶよ」

「ケロベロスより弱いというから、なんとかなるだろ」

「僕とチアキちゃんが足を狙って動きを止めて、【ぐるぐるの歌】かな」

「そうね、二本足の魔物には良く効くわね」

「一対一でもやれそうだけどなあ」

「ここは安全に全員で行こう、ボス戦の時はみのりがくつしたの上な」

「ラジャでございます」

「私は?」


 チアキが聞いてきた。


「天井から射撃かな? とりあえず拳銃だとパンチが無いからね」

「うー、長銃欲しいなあ」


 『盗賊シーフ』は道中は凄く役に立つけど、ボス戦だとあまり役に立たない事が多いね。

 適材適所と行こうではないか。


 一休みしたので、リフレッシュして、二十二階を行く。


 オーガー、ハイオーク、アシッドスライム、を、ばったばったと倒して行く。

 『川崎タン麺』の人達が狩った後なのか、あまり魔物の群れは出ないね。


 ドロップ品は、鉄棒、オーク帽、日本酒鬼ころしパック、ところてん、などが出た。

 収納袋に入れて先に進む。


 あまり魔物が出なかったので、すぐ二十一階への階段に着いた。

 休まずに階を進んで行く。

 あまりペースが速いと『川崎タン麺』さんに追いついてしまうかもしれない。


 二十一階に入り、リザードマン、トロール、ハイオーク、オーガーなどを狩る。


 一度戦った編成の群れは攻略法が解るので倒すのも早いな。

 ドロップ品は、青水晶、キュアポーション、ブルーゼリー、あと、オークぬいぐるみが出た。

 なんか妙に可愛い姿だ。

 ラブリーぬいぐるみ工房は腕が良いな。

 また、チアキとみのりが取りあっていた。


『ぬいぐるみは全種類欲しいなあ』

『コレクション需要を狙ったのじゃ。オークとハイオークは色違いじゃぞ』

『売店で全部売ってくださいよう』

『ああいう物はドロップで手に入れるから嬉しいのじゃ。新橋のお店でも、五種類ぐらいしか無いぞ』

『あ、本当だ、スライム、ゴブリン、オーク、ヘルハウンド、ジャイアントトード、スケルトン、かあ。オルトロスとかは無いのかあ』

『リクエストがあったので、来月には限定でレグルスのドラゴンもラインナップに入るぞ』

『それは欲しい!! 買いに行こう』


 迷宮側も色々考えているんだなあ。


 二十階への階段を上り、ポータル石碑にタッチして、俺達はロビーに転移した。


「わっはっは、来月発売のワシのぬいぐるみじゃ、ほしいかほしいか」

「あ~~ん、下さいよう、陛下~~♡」

「わたしもわたしも~~♡」

「うはは、よっしゃよっしゃ」


 ロビーでは駄目ドラゴンが鼻の下を伸ばして女性配信冒険者にぬいぐるみをばらまいていた。

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