目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第7話 二人のゾンビ・パーティー前編


 俺が進化してから四時間くらいたった。

 多分・・・夜なのか昼なのか地下なのでわからないが、ここはずっと暗いままだ。



 そして、ここの地下洞もだいぶ地理を覚えた。

 あれからしばらく、モンスターや人間達との戦闘だが。

 俺と彼女は順調に経験値を貯めている。


 そして、今目の前に敵が現れた二人の人間だ。

 一人は中国風の武闘着を着ている格闘家で手に青竜刀を持つ。

 もう一人は軽装で、頭にバンダナを巻いていて盗賊ぽいっ感じだな。

 武器は銀色に鈍く光る2本のナイフを持っている。


 二人の人間は辺りを警戒しつつ俺達の元にに進んでくる。

 これから餌にされるとも知らずに。

 俺と彼女は瓦礫や柱の裏に隠れる。

 前持って彼女に教えた作戦どうりだ。

 俺は奴らの後ろで彼女がやつらの前に出てくるのを待つ。


「アアァ」


 声が聞こえた。

 いまだっ俺も奴らの後ろから襲いかかる。

 急に前方から現れたアンデッドの彼女に気をとられて、後ろが隙だらけの二人。

 そして俺は盗賊の首筋に噛み付く。



「うあーー」


「何っ!?」


 叫ぶ盗賊、格闘家はその盗賊の方に目を向ける。

 その隙に彼女も飛びかかり。

 そして、格闘家はそれを脚で蹴り上げ彼女の体を壁に吹き飛ばす。



「アンデッド共めっ! 永眠しろーー!」


 今度は俺に青竜刀を向け斬りかかってくる。

 そして、頭に青竜刀の刃が迫る。

 俺は刃が頭にもう少しで届くところで格闘家の腕を掴んで止めた。



「ぐっ! こいつっ! まさか知能が」


 格闘家はと言い放つ。

 このままでは俺が力で押しきられてしまう。

 更に格闘家は俺の脚をガッガッと蹴りつけてくる。



『ガブッ!』


「まだ動けたか」


 だが、その後ろから彼女が肩に噛み付き、格闘家は振り向き様に青竜刀で斬りかかる。

 彼女は低くかがみ格闘家の攻撃を回避する。



「アアァ」


 その後。

 彼女は、叫びながら格闘家の胸の心臓辺りにピンポイントで噛みついて離さない。



「うわあっやめてくれーー!」


 格闘家は最後の断末魔を上げるが。

 その後は、物言わぬ骸と化して、俺と彼女の御飯になった。


 俺と彼女は格闘家と盗賊を貪りつくした。

 その後も、ボーリング団子虫やスピットスライム等の魔物を狩る。

 そして俺は気付くと、彼女のステータスを見た。

 するといつの間にか彼女に新スキル吸血がついていた。


 血を吸うゾンビ?、吸血鬼じゃなくてか?。

 それにいつの間にスキルがついていたのか。


 もしかすると、さっきの格闘家と盗賊を倒してからか・・・。

 あの後ご飯に夢中で気が付かなかったんだな。


 さあ、この後も戦いだ。

 バスケットボールのようなレッドボールフライやデカバエ。

 これ等の昆虫系の魔物を倒す。

 この地下で無害なのは、非常に長い名前の魔物。

 ダンジョン・ライトファイアフライのみだ。



「アッァァ」


 彼女が吼えたので振り向く。

 すると彼女は血のような赤い宝石の玉に包まれる。

 ついにっ!?、ついに彼女にも進化の時が来たか。


 彼女も俺見たいにキズが直るのか?。

 人間だった頃見たいに。

 ん・・・そうか俺は人間だったんだ。


 どうしてゾンビにあれっ?。

 思い出せない。

 あっ・・・それで彼女に聞こうとっ?・・・。

 まあいい、あまり難しい事を深く考えても仕方がない。


 あまり頭を使うとショートしてしまう。

 そうこう考えていると不意に声をかけられる。



「ねぇ何一人でぶつぶつ言っているの」


 その声に振り向いて見ると、目の前には長い赤い髪の毛の少女がいた。

 少女はしゃべった。俺よりも流暢にだ。

 肌は元々白かったが更に精気が抜けたかの如く白くなっていた。

 その帰り血を浴び鮮血色に染まったかのような紅い髪は美しい。


 唇は肌とは対象的に血色が良く真っ赤な色だ。

 妖艶な封印気を醸し出し、瞳はルビーの如く怪しい深紅色に輝いていた。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?