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第8話 二人のゾンビ・パーティー後編


 あれから二日間ずっと戦ってきた。

 たくさんの人間や魔物と。

 その後も彼の言う通り、私が囮役になる。

 敵が此方に目を向けている間に彼が倒すと言う戦法で敵を倒してきた。


 今また敵が来る。

 刀を持った少林寺風の武闘家らしい人。

 ナイフを持ったスラム街のチンピラ見たいな二人が、前から此方に歩を進める。


 その敵がどんな人物達か見えた彼が隠れる。

 私も隠れなきゃ・・・。

 そして、二人組が瓦礫の陰にいる私に近ずく。

 もう少し、もう少し・・・もう少し、今だ。



「アアァ」


 私は吼えた。敵は私がいきなり瓦礫の陰から現れたので私に注目している。

 ここまでは彼の作戦通りだ。

 そして、後ろから彼がチンピラぽいっ人に噛み付く。



「うぁわーー!?」


 チンピラ風の人は叫ぶ。

 私はそちらに目を向けた少林寺風の人に襲いかかるが。

 回し蹴りを喰らって、壁に叩きつけられる。



「アンデッド共め、永眠しろーー!」


 少林寺風の人は今度は彼に刀を向けて走りかかって行く。

 そして彼の頭に刀が降り下ろされっ・・・る瞬間。

 彼が少林寺風の人の腕を掴み牽制している。



「ぐっ? こいつ、まさか知能がっ!」


 彼は腕を掴んでいるが、どんどん押されている。

 そして、彼の脚が相手に蹴られている。


 このままじゃ彼が危ない。

 私はよろよろと歩き、少林寺風の人の後ろまで近ずく。

 そこから、おもいっきり肩に噛み付く。

 すると少林寺風の人は。



「まだ動けたのか!?」


 そう言って私を突飛ばす。

 そして私はまた敵に向かって襲いかかって行く。

 少林寺風の人は刀をこっちに向けて横に斬りかかってきた。


 構うもんかっ!、こっちはゾンビよっ・・・。

 多少頭から血が出ようが、身体を切られようが、頭が殺られなきゃ平気なのよっ。


 そして、私は転びそうになるが、そのままの勢いで刀の下をくぐり抜ける。



「アアァ」


 叫びながら敵の懐に飛び付き胸をかじる狙いは心臓だ。

 心臓さえ止めてしまえば私達の勝利。

 そして、少林寺風の人は。



「うわあっ助けてくれーー!」


 叫び絶命する・・・。

 そして、この二人は私たちの食料になった。


 ふぅーーうまいっ!、うまい人間の心臓はうまいっ!。

 さっき、少林寺風の人に噛み付いた時から病みつきになっちゃった見たい。

 もっと人間の心臓食べたいなぁ♥。



(・・・あれっ? なんだっけ? 人間? の・・・心臓・・・私も・・・人間だった? よね・・・だっ・・・た? はず・・・だったような気が・・・)


『レベルアップにより新たなスキル、吸血を覚えました。』


 吸血・・・ゾンビって言うより、ヴァンパイアじゃない、このスキル?。


 はっ!?、それよりも人間の死体を食べっいや血を吸わなきゃっ?。


 喉が渇いて仕方ないしねぇ♥。


 私は格闘家の死体とチンピラ風の死体に噛み付き。

 血を美味しそうに無我夢中で啜る。



『チューーチーーチーー』


 その横で、彼がやったーーと騒いでいたが気にしない。

 今は血を吸うので忙しいのだ♥。

 些細な事を気にしている暇わない。



「ぷはぁーーあ~~♥♥♥」


 ようやく喉も潤って来て渇きも収まった。


 その後も酸見たいなブクブク泡立つスライムやキモイ団子虫等を倒す。

 特に団子虫がキモかったわぁ。

 更にその後もたくさんの魔物を倒して進む。


 そしてついに?。



『レベルアップにより進化が可能に成りました、これより腐肉の塊からレッサーヴァンパイアに進化します』


「アッァァ!?」


 レッサーヴァンパイアに進化って・・・?。

 私はやっぱりゾンビじゃなくて吸血鬼になるのね。

 私の目の前が赤いシャボン玉のような水晶のような物に包まれる。


 はあぁ♥。

 ・・・なんだかこの中は落ち着くお母さんのお腹の中見たい♥。

 うっとりして来て眠くなっちゃう♥。



『ぴしりっ!』


 んむ?。

 私は何か違和感を感じるが、それが何か、何なのかは分からない。



『ぴしりっぴしっ・・・パリン』


 やだぁあっ!、まだ割れないでぇっと願うが赤いシャボン玉は割れてしまう。

 彼の緑色の卵の時と同様に割れると玉の破片は消えてしまった。



「ああっ何で割れてなくなるのもっと入っていたかったのにぃ・・・」


 んん?、気が付くと私は声を出していた。

 可愛らしい女の子の声だ。

 それも滑らかに喉から出る。



「あれっ私? 声がっ・・声を出せるぅ!? 私またしゃべれる様になったのねっ嬉しいっ?」


 よしっ!、そうだ彼に話しかけよう・・・。

 見ると彼はぶつぶつと何か呟いている。



「ねぇ、何一人でぶつぶつ言っているの?」


 私は彼に話し掛けた。

 彼が誰で私が誰かを知るために。

 そうすると彼は私の方を向いて。

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