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第23話 見つかっちゃった

 大勢の人間達が移動して居なくなり、緊張が解けた俺は動き出す。


 と、その時。



「おーーい待ってくれよーー?」


 一人の魔物使いがペットのコウモリをが遅れた来た。


 そして、動く俺と目が合う。



「うわぁっ!? まだ動い・・・てっ!」


 俺を見て顔に恐怖を浮かべて驚いた奴が、仲間に向かって叫ぼうとした瞬間。



『ガンッ』


「あがっ!!」


 俺の後頭部にブーツがめり込む。

 その衝撃で、俺は変な声を出してしまった。



「まだ生きていたのね? これでおしまいよっ!」


 俺は後頭部にブーツの底を喰らったので顎を地面に打ち付ける。


 そして、ミリカは。



「心配要らないわ、ほらっ行くのよ? 速く行かないと置いてかれるわよ」


「あっ? ああ、分かった、そちらも気を付けてな」


 魔物使いとコウモリは先の集団へと駈けて行く。

 奴ら一人と一匹の姿が小さくなる。



「じゃあね~~バイバ~~イ」


 ミリカは手を振り、不適な笑みを浮かべる。

 なんか妖艶な感じがするな。

 俺はそう思いながら立ち上がった。



「今のは頭に効いたぞ」


「ごめん、痛かった?」


 頭を右手で押さえながら文句を言ったジョージに、両手を合わせて謝るミリカ。



「いや衝撃がな? ゾンビだから痛みはないんだよ」


「そうなの、ジョージ・・・でも悪かったわね、敵を欺く芝居とは言え、こんな事して」


 痛みはないから心配は要らないと告げたジョージに、それでも謝罪するミリカ。



「いいんだ・・・ミリカのおかげで助かったしな、幾らこっちが人外の化け物だからって、あの人数はなあ~~」 


 沢山の武器を構えた大勢の人間達。

 それは今の二人に取ってかなりの脅威だ。


 それを、ジョージは呟く。



「それより先へ進もう、この先はきっと出口だ」


「何で分かるの?」


 ジョージは自陣満々に出口だと言うので、ミリカは何故分かるのだろう。

 と、彼女は頭に?マークを浮かべる。



「あれだけ多くの人間達が来たんだ、こっちに出口があるに決まっている」


「そっか、そうよね、そうに決まってるもんね」


 出口があると確信するジョージに、ミリカは嬉しそうに微笑みながら言った。



「じゃあ行こっ! ジョージ」


 俺達は駈け足で走り出す。

 目の前に今度は何が現れるのか分からないが、それでも二人は進む。

 その後、やがて二人の前には巨大な扉が姿を現す。



「やった、やったぞ、出口だっ!」


「やったぁ~~ゴールだっ!」


 ジョージとミリカ現れた巨大な扉に喜ぶ。

 そして、二人は力を合わせて扉を開こうとする。



「ミリカ、開けるぞ」


「うん開けようっ! ジョージ」


 ジョージは左の扉を引っ張り。

 ミリカは右の扉を引っ張って、二人同時に開けようと力を入れる。



「うぐぐっ! 重いっ!!」


「ミリカ、しっかり、もう少しだっ! 頑張れっ!!」


 そして、二人が通れる程だが扉は開く。

 開けた先は長く広い石畳の廊下だった。

 だがそこに光りはない、まだそこは地下道の中だった。


 それを見た二人は絶望する。



「ごめんなっ俺のせいで・・・」


「ううん、いいの・・・それにあんなに人間が来たんだもん、道も整備されているし、きっとこの先は外に繋がっているわよ」


 ミリカはそういったが、結果はこれだ。

 まだまだ続く無限地獄、この先に出口が有ったしても。

 それが、どれだけ離れているかは分からない、そこにたどり着くまで歩く。



(・・・ひょっとしたら永遠に・・・ん? ミリカは強く道の先を見ている・・・希望を捨てずに強い視線を左手の壁の方に向けて・・・)


 ジョージは、アレコレと思案しながら歩いていく。

 そんな中、ミリカが急に話し掛けてきた。



「ジョージあそこ、なんか動いてた?」


「何かいたのか?」


 俺もそちらに視線を向けて見る。

 すると壁が開き中から、カシャカシャと音が聴こえて来る。


「来るわっ?」


「人間達かっ!」


 しかし、現れたのは骸骨だった。

 剣と盾や槍や弓等を構え、襤褸布を纏う者や軽鎧を来ている者もいる。


 どうやらここには骸骨。

 いや、スケルトン達が現れるようだ。

 スケルトン達の縄張りなのだろうか。

 それよりも警戒しなければ。



「ジョージ、こいつら・・・」


「ああ、敵かもな?」


 俺とミリカは身構える。

 アンデッドとは言え、意思の疎通が不可能な敵かも知れないからだ。

 だが、スケルトン達は手を振って挨拶をして通路の反対側へ行く。

 すると、壁は勝手に開き、スケルトン達はその中に入り通り過ぎて行った。



「俺達もアンデッドだから、気にしないで通り過ぎて行ったんだろうな・・・」


「そうね、きっと同族だからよね? それにしてもあの扉・・・気になるわね?」


 ジョージとミリカ達。

 彼等は、スケルトン達が自分達を同じアンデッド仲間だと思ってたんだろう。

 だから、攻撃して来なかったと推測した。



「行って見るか?」


「うんっ! 行きましょう」


 二人はスケルトンの入って行った壁に向かう。

 そして、二人が来ると壁は自動ドアのように開き。

 その中では、スケルトン達が何やら怪しい実験を行っていた。

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