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第22話 前方から大軍団~~ここはステルスで~~


 敵を倒す。

 これで八体目全部人間だ。

 そして、俺もミリカも敵に噛みつくが部下になるアンデッドはいない。


 何故かって、それは噛まれた人間は腐肉のゾンビに成るからだ。


 これまで倒した人間に、ミリカの血液を飲ませたり。

 俺の血液を塗った剣を相手に刺したりしたが。

 アンデッドになっても言う事を聞く部下には成らない。


 たぶん俺達のレベルが上がれば、このスキルの交果もアップするんだろう。

 例えば、腐肉の塊ではなく、ゾンビとかヴァンパイアに最初から変化するとか。


 後、俺の腕を自分で斬りつけ。

 血を剣に塗り相手に刺したり斬ッたりするのもあまり使えないな。

 ゾンビと言えど、出血しすぎると、どうなるか分からないからな。


 それに、戦闘中に一々自分で斬りつけている余裕は無いし。

 何より面倒だ。

 ミリカの方も、同じような物だろう。


 きっと、彼女の血液を飲んだら、血族化する。

 それで、腐肉の塊から進化すると、ヴァンパイアになるんだろ。


 だが、さっきも言ったが。

 腐肉の塊の時点で、言う事を聞かないので、どうしようもない。

 持っと、二人ともレベルを上げなければ、きちんとした戦力に。

 そして、頼れる仲間に敵を作り変える事ができるかもしれないからな。


 と考えていたが。



「ねぇっ?」


「それはまだ」


 ミリカは声を掛けるが、ジョージは考え事に夢中で、ぶつぶつ独り言を話す。



「ねぇってば?」


「先だろう」


 二回目の話しかけも、無視されたミリカは苛立ってきたが。

 それでも、ジョージは返事をしない。



「ねぇねぇ?」


「なんだ? ミリカ、さっきから」


 三回目にして、ようやくミリカに返事を返したジョージは何の用だと言うが。



「ジョージが返事しないからでしょうっ!」


「ああ、それは悪かったわ」


 ぷんすかしながら怒るミリカに、ジョージは困ったような表情を浮かべて謝る。



「んもう~~? さっきから一人でぶつぶつ言ってーー何考えてるか知らないけど、それより敵よ」


「三人か・・・奇襲を仕掛けるぞ」


 ミリカは前方から歩いてくる三人の人間を指差す。

 幸い彼等は、まだ此方に気がついてはいない様子だ。



「いつもの作戦は?」


「今回は後ろからの奇襲を行う、だからいつもの人間の振り作戦はやらない」


 作戦はとミリカは聞いてきたので、ジョージは作戦内容を教えたのだが、彼女は。



「それなら、いっくわよーー!!」


「待てっ! ミリカ・・・ちっ! 仕方ないな?」


 真っ先に一人で駆け出したミリカ。


 彼女を、呼び止められなかったジョージは、仕方なく自分も突撃していく。



「フレイムボール」


「ダークボール」


 二人は魔法を放ちながら、三人の人間達を目掛けて、颯爽と駆け出して行った。


 その後も。


 オーク、二体。

 ビッグラット、十体。

 ホラアナトラ。


 等を倒し狩をしながら進む。

 そして、運悪く大勢の人間に出会ってしまった。


 相手の数はざっと十三、いや十四人てとこか。

 ここは通路、つまり狭い場所だ。

 このままでは前見たいに囲まれてしまう。


 どんな職業で、どんな武器を使うのか何て考えている暇はないな。

 速く逃げなければならない。


 すると、突然ミリカが俺の前に立ち、レイピアで俺の体に一突き入れる。



「なっ何っ!?」


「いいっ! しゃべらないで敵に気付かれるからか」


 ミリカは顔を近づけ、真顔で耳元で囁く。

 敵の方を、横目で追いながらがら続けて。



「殺られた振りするの」


「そうかっ!?」


 ミリカが小声で囁くと、俺は頷き、直ぐにガクッとうなだれながら倒れる。

 そして、ミリカはレイピアを俺の体から引き抜き。

 刃の部分についた血を一振りして払う。


 そして、人間の集団に手を振る。



「こっちは大丈夫よ」


「そうか? でも気を付けろ、ここはアンデッドが多いからな、まあ~あんたなら今見たいにゾンビも簡単にのしちまうか、それとも一人かなら着いてくるか」


 ミリカは笑顔で人間達に話し掛けると、人間達のリーダーらしき人物が答えた。



「どうもありがとう、でも大丈夫です・・・後、もう少ししたら私の仲間達も来ますから」


 ミリカは大丈夫です丁寧に答えると、人間達のリーダーは少し考えてから。



「なら安心だなまあ無理はするなよ? さあて皆行くぞ」


 リーダーがそう言うと、人間達は前進を開始した。

 その間俺はピクリとも動けず。

 じっと、男女十四からなる人間達が通り過ぎるのをじぃっと待つ。



「後ろを警戒しろっ!」


「ランサーは左右に展開」


「分かった」


「魔法使いは前方だ」


 大勢の人間達が俺を気にする事なく、前進していく。

 よし、人間達の姿と声は小さくなり。



「通り過ぎて行ったか? はあぁっもう誰も居ないよな」


 ジョージはため息を付きながら呟き、そして、緊張が溶け動き出す。


 とその時。



「おーーいっ! 待ってくれよーー!」


 一人の魔物使いが、ペットのコウモリを肩に乗せて、走って近づいてきた。

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